こんにちは。桜畑です。
セミリタイアしてひきこもってると、新しいことを学べず、世間知らずになるのでは?と思われがち。でも、好奇心さえあれば、世界の動きや未来のことまで、会社員時代よりたくさんの情報に触れることもできます。
好評の(?)「会社脳から脱出する」シリーズ、前回の「深く考える習慣」に続いて、今回は「勝手に独学する習慣」です。興味のあることへの「問い」から発する勉強は、超楽しくて、このためにセミリタイアしたのかも…と思うほど。さっそく始めていきましょう!
こんな疑問に答えます
- リタイアしたらおバカさんになっちゃわないかな?
- 独学なんて怠惰な自分にはムリ~!
- お金はかけられないけど、勉強できるかな?
会社脳から脱出する習慣
- 深く考える習慣
- 勝手に独学する習慣✓
- 経験を反芻する習慣
- 人の期待に応えない習慣
- マイペースに休む習慣
目次
1,なぜ独学?
*“勉強”しない日本の社会人。コロナでさらに状況悪化【5万人調査】
①会社で学ぶことは局地的
ずいぶん前から、定年退職後は社会人大学やカルチャーセンターで、なにか勉強しようかなぁって思ってました。
会社の仕事というのは、ルーティンワークも多いし、「世界をゆるがす、すごい真実や発見」よりも「今、すぐ、役立つコトや売れるモノ」を生み出すことが優先。
それもおもしろかったけど、もっと広く深く知りたいことがいっぱいあるのに時間が足りない~って感じていたからです。
②お金がない、コロナで外出しにくい
ところが、うっかり50代でセミリタイアしたら、趣味の音楽に加え、勉強にまでお金を使う余裕はない!
しかも世はコロナ禍で、本当の学生でさえ、対面教室がNG。せっかく社会人入学にパスしたご近所友達も、ZOOM(遠隔)授業ばかりで徒歩圏の大学キャンパスや教室に入れなかったとか……(涙)。
③タダで独りで勉強すればいい
考えてみれば、セミリタイアーは、平日昼間から図書館や家でガンガン本が読める。
ブログやYou Tubeの教養情報もすごい!「名著のまとめ」「小学生にもわかる歴史」「お金の大学」(笑)…。あらゆることについて、専門家やセミ専門家が、めちゃくちゃわかりやすいコンテンツを流してくれてるじゃありませんか!!
桜畑は、いろんな分野に首を突っ込みたくなる上、「ブロックチェーン」とか「エア・タクシー」とか、近未来な話も大好き。既存の社会人教育受けるより、ひきこもったままで、ネットや本で、学んだ方がいいよね✨!って気づきました。
2,何を勉強するか?
①一般に独学と言えば?
日本の社会人の勉強時間=平均6分!!といいます。
お仕事しながら勉強もしているエライ人は何を学んでるのか?
「独学」で検索すると出てくるのは、「英語、プログラミング、簿記、FP、〇〇士」などのワード。会社の司令、または自分のステップアップのための試験や資格の勉強です。
つまり、昇進・転職に有利にな学習=もっと地位を上げ、お金を稼ぐ。少子化、人口減少で右肩下がりの日本で、少しでも優位に立とうというモチベーション。けなげ…(涙)。がんばってほしいものです。
②50代セミリタイアひきこもりは、好きなことを学ぶ
30数年も働いて、借金(住宅ローン)も返し、子どもも巣立った50代ひきこもりセミリタイアーは、もうそんな野心はない。
与えられた課題や、必要に迫られて…ではなく、純粋な好奇心から勉強していいんですね。ストレスがないから頭にゴミがなく、平日の昼間という時間も与えられています。
③無職の世界から見える社会
会社員ワールド⇒無職ワールドは、『青い鳥』のチルチルミチルが帽子のダイヤを回すみたいに、世界が変わる(←古い?)。
『電脳コイル』の世界でメガネをかけたみたいなパラレルワールド(←やや進歩)。
たとえば、会社をやめると税金や社会保険や年金の手続きを自分でします。
いつの間にか天引きという名で消え失せていたときとちがって、何十万円というお金を、銀行で振り込んだりしてると、なんで国家にこんなにお金払うんだろう?といった素朴な疑問💢がわいてきます。
④芋づる式に本を読む
最初は退職者向けのハウツー本で税金や社会保険の仕組みをお勉強。
セミリタイア&無職は、自営業に近い生活。色々読んだけど、これが意外と参考になりました👆
そのうち、「そもそも税金の仕組みっていつできたの?」「銀行とは?」「国家とは?」などと謎が深まっていきます。
その「問い」を胸に、ネットを見たり新聞を読んだりしていると、『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語』、『半穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』なんていう、ディープな著作に出会えます。
いい本は、分厚くても、お高くても、図書館で貸してもらえます。ありがたい!
👆「税金って、安定的に収穫できて計りやすい”穀物“からはじまり、今”給料“がそれに変わったのね~。昔の農民、そして今の会社員って、施政者からみて都合のいい存在なんだなぁ…」とか。
👆「中世のイタリアで、お金を貸すときに使っていた机「バンコ」が「バンク」の語源。そんな昔から資金の移動や投資の技術が発達し、流動性を極めた電子マネーやビットコインにつながってるのかぁ」とか…。
経験から発する「問い」を出発点とし、名著に当たるとほんとに飽きないで読み切れます。満員電車では読みにくい、字が小さくて固い本。静かな図書館や昼間の家で読めるのも、最高です。
3,環境づくりと勉強方法
①独学の環境をつくる
従来の机上の学習に加えて、音声での勉強も、とってもラクで安価になりました。時事問題やマニアックなことは、You Tubeが有益だったりします。独学は目と耳、両方から攻めるのがよし。
■書いたり読んだりする
情報 ⇒ 書籍や教科書 図書館なら無料。メルカリやアマゾンマーケットプレイス、ブックオフ等で中古を安く入手。サブスク(定額)で無限に読めるキンドル・アンリミテッドもお宝の宝庫。
時間 ⇒ セミリタイアひきこもりは容易に確保できます。
社会人なら、朝活、通勤電車、昼休み、帰宅後、週末…。(辛み…。)
場所 ⇒ 私の場合は、旧子ども部屋かリビング、図書館の学習室&カフェ。
基本的に半径500mです。
■音声学習する
情報 ⇒ You Tube、アマゾンオーディブル、ネットラジオ(VoicyやNHK放送大学のラジオ放送)
時間 ⇒ 買い物、散歩、料理、掃除中など。いつでも、どこでも。
道具 ⇒ スマホとワイヤレスイヤホン。ブルートゥースで自動接続するとラク。
◎You Tubeは課金して、Premiumにした方が、CMがなく、画面を閉じて聞けて圧倒的に効率的。6人まで共有できるので、お金のある人に会員になってもらいましょう。
◎アマゾンオーティブルは、最初のうち無料で聞けるので、お試しを。
*参考
Amazonの朗読本、オーディブル(Audible)」で、なんかもう、どんどん本が読めてしまった話。
②どこにでもノートとペンケース
気に入ったノートと筆記用具を準備して、いつてもどこでも持って行けるようにしましょう。
私は5ミリ方眼のA5版ノートに、モーニングページも(*)、読書記録も、備忘録も、文章構成の企画や思いつきも、ぜんぶ時間順に書いてしまいます。
ノートを分けたところで、オバサンはどこに何を書いた忘れちゃいますからね。貴重な情報と思考は、基本的に1か所。検索の軸はシンプルに「時間」です。
③書きまくる
付箋をつけながら本を読み、随時、または読了後、ツボを書き写します。それについて自分が考えたことも書いていきます。
音声できいたことも、これ大事!すごい!っていうことは、忘れないうちにノートにメモします。
どちらも日付とタイトル、著者、話者だけは最低限記録。字は自分が読める最低限度の汚さ(笑)。
④マーカーしまくる
ブルーのマーカーで、「なるほど」なところにラインを引きます。重要ワードはグルグル。特に考えさせられるところは波線など。
ブルーはすっきりと頭に入りやすい色だそうです。
オレンジマーカーは、「これは実行するぞ!」というところに使います。元気、やる気が出そうな色です。
⑤PCで索引をつくる
ノートのメモは、日付を頼りに目ぼしをつければ、だいたいたどれますが、ノートが5冊以上になると時間がかかります。
なので、グーグルドキュメント上に索引をつくりはじめました。ノートのNo.と年月を書き、ざっくり項目をメモしていきます。これも時間順ですね。
人によってはノートにページ番号を書き込むそうです。これは効果あるのか?ひとつのノートだけナンバリングしてお試し中です。
⑥アウトプットする
ノートや索引を読み返してて、「これ、めっちゃおもしろい!すごい!人に知らせたい!」とか思うと、家族や知り合いに話したり、SNSやブログにアウトプット。さらに思考が深まり、定着します。
学校の勉強もテストに解答するより、人に教えたり、レポートや論文にしたことの方が頭に残ってるはず。学んだら、外に出す。これで学習効果を高めましょう!
4,独学について独学する
なんとなく本を読んで、ノートに書いているうちに、これって独学?って気づいた桜畑。世はコロナ禍のお家時間増加で独学ブーム。独学についても独学してみました。
①人生を変える「超」独学勉強法 野口悠紀雄
「超整理法」などの「超」シリーズで知られる経済学者、野口悠紀雄先生の独学本です。野口先生は大学・大学院の専門が応用物理学なのにもかかわらず、独学で旧大蔵省に2位の成績で入省した「独学」のプロ。今も毎月のように本を出され、ZOOMで講演をされる人気作家でもあります。
「これからは、学校での学びが急速に陳腐化する」 「仕事が消滅することもある厳しい時代」 「変化は同時にチャンス。独学で人生は変えられる。いくつでも遅くない」
80歳の著者に言われると、説得力が半端ない…。
そして独学のインセンティブ(目的)は以下でいいと言うのです👇
「あからさまに言えば社会的地位の向上。社会をよくするといった実利ではなく、もっと利己的なもの」
純粋な知的好奇心で勉強されているとばかり思っていたけれど、継続のエネルギーは「利己心、名誉欲」でいいとおっしゃるんですねぇ~。人間の本質をついた、「超」率直なアドバイス!
さすがは野口先生です。
「過去問→百科事典→教科書と逆向きにたどる試験勉強の方法」や、「高齢者の独学の優位性」、「自分でカリキュラムをつくる方法」など、著者ならではの「超」具体的なノウハウも、とっても参考になり、オススメです!
★概要と一部の内容は、noteで公開されています。「超」進歩的!!
②独学大全
独学本の決定版みたいな、超分厚い「鈍器本」。余白多めの紙面、製本の開きやすさ、疑問から逆引きする巻末索引等々、気合の入りまくった造本と装丁に感動。沈みゆく紙の本業界で、こんな贅沢な本が20万部も売れる…すばらしいことですね(泣)。
本書では、「なぜ学ぶか?」を心理学の新しい知見「二重思考理論」に基づいて説明。「本能的、感情的で、早い思考」で判断しがちな人間の本性を、「論理的で遅い思考」を学習することでコントロール。それによって社会が前進していくと。いきなりの深イイ話でパンチを喰らいます。
内容はもちろん、独学のノウハウを、網羅オブ網羅。
目標の立て方から時間や環境の確保の仕方、資料の探し方と整理法、本の読み方と活用法、古今東西のあらゆる記憶法、挫折せずに続けるには?など。788ページをフル活用。
章の最初に「無知くん」と「親父さん」のほんわかした会話ページがあって、気が抜けます。
親父さん「やる気から行動が生まれるんじゃなく、行動からやる気が生まれるんだ」
見かけよりずっとフレンドリーな本でした!!
私が特に参考になったのは、図書館の十進分類法をかけ合わせて、知りたい事物の本を検索するというTips(ヒント)や、ネット上の百科事典の活用方法、方眼ノートで進捗をチェックする具体的なやり方など。勉強に飽きたとき、パラパラめくると、何度も新しい発見ができそう。
*参考書も出てました👇 Kindle Unlimitedの会員はタダで読めます。
独学大全公式副読本――「鈍器本」の使い方がこの1冊で全部わかる Kindle版
5,セミリタイアしたら本当の勉強ができる
①何歳でも脳は進化する
「人間の欲求5段階説」で有名な心理学者、マズローは、臨床の経験から「知的飢餓」によって病気になる人々の存在に気づきました(マズローの心理学) 。
「学ぶことは生きること」なんですよね。
好奇心にまかせて自ら学ぶというのは、学校の授業のような受け身な倦怠感とは真逆の「快楽」です。
半世紀(笑)の人生経験や、仕事上知り得た事実。昔訪れた国、年長者からきいたウソみたいな経験談なども脳内でつながって、学生時代とはぜんぜんちがった長~い時間軸と、広がった視野と体験を土台に、実感をもって勉強できます。
見た目は劣化する50代(笑)。でも、脳内はまだまだシナプスがつながり、脳みそのシワが刻まれていく感じ。時間リッチのセミリタイアひきこもり生活の醍醐味ですね。
②仕事をやめたら堕落する?と思っている人へ
多くの人が、余暇に、テレビやゲーム、飽食、買い物など、受動的な方向に流れてしまうのは、仕事時間のゴミで脳がいっぱいだから。
退職して「一日中余暇」になったら、本来のエネルギー回復と共に、子どものような好奇心がもどってきて、新しい何かを知りたい!!学びたい!ってなります。
本物の余暇は贅沢でも堕落でもない。脳に欠かせないものだ。 ーールトガー ブレグマン『隷属なき道』より
「本物の余暇」でいっぱいの、セミリタイア生活。「勝手に独学」はいちばんの特権です。
「それ、昔から不思議に思ってた…」っていう素朴な「問い」から始めて、あなたも自分だけの「知の世界」を探検してみてくださいね!
それではまた次回!