こんにちは。1年前にセミリタイアした桜畑です。夫の実家が空き家になってしまい、毎週末、管理に通うようになりました。平日も片づけに行くようになったら、どんどんすっきりしてきて…さて何が起こったでしょうか?
■この記事の内容
・実家が空き家になったらどうしたらいい?
・管理の方法は? 片づけ方は?
・なぜ、片づけるといいことがあるの?
こんな疑問に答えていきますね。
■筆者の経験
●なぜ空き家に?
夫の実家が空き家になったのは、圧迫骨折で入院した夫の母が、ひとり暮らしが無理になって近所の施設に入居することになったからです。
●日本の空き家問題
日本では現在、高齢者の8割以上が持ち家、多くが戸建てに在住。
2019年の統計で全国の住宅総数は6242万戸、空き家数は846万戸、空き家率は13.55%。
10件に1軒は空き家
ってすごい数ですね。
放置されて家屋が荒れると、価値の低下はもちろん、植物や虫、小動物の繁殖、ゴミの放置、倒壊などの近所迷惑が起こり、社会問題となっています。
親の家がある限り、誰もが避けては通れない問題でなんですよ~。
●空き家を片付ける目的
空き家になったとはいえ持ち主である夫の母は施設でなんとか暮らしています。コロナ自粛の合間をみて、一時帰宅もさせてあげたいし、正月などに親戚が集まることもありそうです。
放置して荒れ果てさせずに、気持ちのよい空間に保っておかねば…という理由で管理、整理をはじめました。
●空き家の片付けは達成感があり、いいことが起こる
片付けは嫌いという人でも、仕事と思って人の家の片づけを始めると、案外客観的に不用品を見極められます。掃除もがんばれます。家族、親戚もほめてくれます。
死んだようだった家が息を吹き返してくると、すごい! 楽しいーっ! ってなってきます。
世間では空家の管理なんてめんどう、大変…みたいなイメージですが、まずはレクリエーションのつもりで、定期的に行って風を通して見回ることから、ぜひ始めてみてください。きっといいことが起こりますよ。
目次
1,実家が空き家に! 管理方法は?
①空家の管理はなぜ必要?
家は1年放置すると住めなくなると言います。その一般的な要因は以下。
ポイント
・家屋、特に木造は、締め切っていると湿気とカビで建材や壁や床、家具、ほかあらゆるところが腐食したり傷んでくる。
・水を使わないと、給排水設備が錆びて傷む。トラップという水をためる部分が乾いて、容易にゴキブリその他の虫が入ってくる。
・ねずみなどの小動物が入ってきて荒らされる。巣をつくることも。
・庭や周囲の草木が、建物の隙間に侵入して、家が傷む。
・庭や屋内に人が入ってきたり、ゴミを捨てるなどの被害も起こり得る。
実家も夏は手すりがカビていたり、Gの気配があったり、庭にごみがあったり、確かに上のような状況が起こってくるのを実感しました。
②まず窓を開けて空気を通す 水を出す
母が入院・入所後、週末には夫や息子と連れ立って、実家に行くようになりました。
着いたらすることは…
- 郵便受けに溜まっている郵便物やチラシの仕分け、処分。
- 家中の雨戸や窓を開け、風を通す。トイレなどの小窓も忘れずに。
- 台所、風呂、洗面所ほか、すべての蛇口を開けて数分間水を流す。サビや汚れを洗い流し、蒸発したトラップに水を貯める。
- トイレも4,5回は水を流す。詰まりや匂いはないか確認。
- ガスをつけてお湯を出す (これをやっていなかったので、内部がショートしてあとで給湯器の修理が必要になりました)
- 空調を回す。エアコンをつけて冷暖房か送風を回します。使わないと調子が悪くなる
- ✓ゴキブリの点検(母の入院中にかなり侵入。ホウ酸団子を大量に仕掛け、見つかった死骸を捨てる)
これだけでだいぶ臭いがとれたり、空気が爽やかになって、滞在時間が気持ちよくなります。かるく掃除機をかけたり、衣類の整理もはじめました。
③家周囲の見回りと庭の管理
手分けして外回りも見ます。
- 庭や玄関周りも外に出て見回る。(庭の隅にペットボトルが捨ててあったりする)。
- 伸びすぎて隣家に張り出している植物をカット。
- 雑草を抜く(夏場暑くてできず、植木屋さんに迷惑をかけました)。
- 玄関周りや庭を掃いて、さっぱりさせる。
- ユズや柿など、実が落ちて腐るものを採る。
収穫物は「ご自由にどうぞ」と実家の門扉のところや自宅マンションの入口に置いて、通行人に持っていってもらい、喜ばれました👍
④空家の管理を楽しむ
空家の管理はめんどう、たいへん、なんで私だけが…的なイメージがあります。でもやってみると案外楽しい面もあります。というか楽しんだ方がよいです。
例えばふだんマンション住まいなので、庭に出るのは新鮮な気分です。植物を剪定ばさみでバサバサ切ったり、果物の収穫も楽しめます。(真夏は暑すぎて、数分で諦めました。マンション住まいのひ弱さを実感…)。
家族と実家で働いていると、適度な運動にもなるし、家も喜んでいるように感じて爽快感があります。
できれば数人で来たほうが、戸締まり確認なども楽です。
ひと仕事終えたら、周囲を散歩したり、カフェに行ったり。休日は帰りがけにみんなで外食&買い物…というコースにすると、家族のレクリエーションになります。
自宅からの行きやすさにもよりますが、月、1回でも行けるといいですね。
2,空き家の片づけ方法 手順とこつ
①なぜ整理が必要?
解体のときに一緒に…はダメ
残された家具や道具は、解体のときにいっしょにゴミに…と考えがちです。
しかし、調べてみると、解体ゴミは産業廃棄物で、家財やガラクタは一般廃棄物。
解体業者が廃棄できない場合もあるし、頼めたとしても高額になることがわかりました。
ちょっとずつやるのが○
家財道具は家庭ゴミとして自治体で処分するのがいちばん費用が安い のです。
私のお財布ではないですが、無駄なお金は使いたくない!
というわけで、最初は施設に入る母のために、必要な衣類や小物を探しつつ整理。また、母に頼まれた父の遺品整理も行いました。
虫や小動物も防げる
そうやって衣類や書籍、書類を片付けているうちに気づいたこと。
それは家具やダンボール、不用品がごちゃごちゃおいてあると、ねずみや虫が入り込みやすいということです。
床置きになっているものを処分して、収納内に入れることで、室内の「物陰」が減り、小動物や虫の侵入や巣作りを防げます。
3LDKマンションのわが家と違って築50年、一軒家の片付けは、自然との戦いでもあるんですね。退職して時間ができた私は、この戦いに挑みはじめたというわけです。
②具体的な手順と方法
空き家はモノの取捨選択がラク
まずは早急に必要な母の衣類の整理。そして本、書類、食器、器具、寝具、家具とすすめました。
持ち主が他界、または高齢で判断できない場合、取捨選択は基本的に片づけている人がすることになります。本人がやると迷いやすい衣類の整理も、サクサクとすすみました。
達成感の大きいものから始める
衣類はかるくて持ち運びが楽な割に、容積の減りが早いので、達成感が大きいです。
人によって違うと思いますが、達成感の大きそうなものから手をつけると、はずみがついてよいですね。
以下片づけた順に、手順とやり方を書いてきます。
衣類
- ホームで母が着るもの→いったん洗濯してから分類して届ける。
- 明らかな虫食い、汚れのあるもの→燃えるゴミに
- きれいだけど着なさそうなもの→手提げのポリ袋に詰めて布類のリサイクルの日に出す
- 父のスーツ類→洋服の青山・オリヒカ(不定期)のリサイクルへ 割引券と引き換える
- ネクタイ→親族にもらってもらう
●メモ 市の衣類リサイクルはありがたい
衣類の分類は悩みどころですが、一時帰宅のときに母にもきいて、
・母がよく着ていた
・似合いそう
・着心地良さそう
の3つの条件で残し、大量にあるもの(パジャマや下着など)は数を減らしました。
✜衣類は匂いがこもっていたので、洗ったり捨てたりすると室内の匂いもだいぶ改善されました。
押入れやクローゼットに空きができ、風通しもよくなります。空いたスペースに、外に出ていた雑貨を収めることもできて、
家中のごちゃごちゃ感がなくなってきました。ホコリも溜まりにくくなります。
✜衣類整理だけでも家中にすっきり感が出て気持ちよいです。
✜市のリサイクル回収の日(週に1度)があって助かりました。ない場合はリサイクルショップなどに持ちこむか燃えるゴミとして捨てることになり、ちょっとハードルが上がりますね。
本・雑誌
- バーコードのある本→まとめてブックオフの出張買い取りへ
- 古い本、雑誌→束ねるか紙袋や手つきの半透明ゴミ袋に入れて、市の本、雑紙回収へ
- 高めの値が付きそうな本→Amazonマーケットプレイス(またはメルカリ)に出す
●メモ 大量本はブックオフ出張買い取り。560点中145点が値付け=7000円
✜義父は自宅で仕事をしており、専門書と雑誌が壁ぎっしりに並んでいました。古書店に問い合わせ、写真を送ったところ、この分野の本は引き取れないということだったので、ブックオフの出張買い取りに出しました。
✜ブックオフもバーコードのない本は基本的に引き取らないので、仕分けが必要です。
✜新しくて需要のありそうな本は、アマゾンマーケットプレイスのアプリで情報を取り込み、数冊だけ出品しました。自宅の片付けで値付け、出品に慣れていたので、数か月でほとんど売れました。われながら目利き力が上がっています。
✜仕分けした本は、なるべく紙のショッピングバッグ、手さげつきゴミ袋、100円ショップのバッグ、コミック整理用紙箱など、「手さげつき」のものに入れます。大きなダンボールに入れると重くなって、特に階段は危険です。大半は夫と息子に下ろしてもらいました。
✜ブックオフの出張買い取りは、頼めばダンボールを持ってきてくれますが、大量だと事前にまとまっていた方が作業が楽です。持てるようになっていれば袋でもコミック箱でもそのまま持っていってくれました。
✜バーコードのある本の方が少なかったので、総冊数は約560点、値段がついたのは145点。
7,010円が振り込まれました。
✜ブックオフは本の内容ではなく、出版年月日を基本に査定をすることで、作業を効率化して伸びた古書店運営の会社。なので、古い本が安く、値もつかないのは仕方ないですね。個人古書店にも断られたし…。
書類、手紙、年賀状など
- 旅行やショッピングのパンフレット、取説→古紙回収
- 趣味・仕事関係の会報→古紙回収
- 処方箋、医療費関係→古紙回収
- 手紙、年賀状、支払い関係→かるくやぶいて透けないようにくるみ、燃えるゴミへ
- 仕事上の個人情報書類→融解処理業者に送る★
★大量の個人情報の処理についてはこちらに詳しく書いたのでご覧ください。
大量の個人情報を、シュレッダーなしに無料で処理するには? (20箱の機密書類を溶解サービスに出しました)
●メモ 大量の書類。でも、とっておくものは少ない
✜書類は、故人の書いた日記や手帳類、財産関係の書類を除くと、嫁の立場の私でも判断して捨てられます。
✜迷うものは週末に夫と相談して決めましたが、とっておくべきものは思ったより少ないです。
✜問題は大量の写真とフィルムで、あまりにも多いので、そのまま戸棚に眠っています。これは身内じゃないとわからないので、兄弟が集まってなんとかするしかなさそうですね。
✜何かとお世話になった義父が読んだ本、メモ書き、手帳などを手にすると、感慨深いものがありました。仕事や家屋のこと、日々の暮らしにも何かと気を配っていたり、孫の手紙を大事にとっていたり。自分もいなくなったあと、恥ずかしくないように日々を真摯に生きねば…と思わされました。
食器、器具
- ヒビや欠けたもの、汚れたもの→燃やせないゴミ で出す
- 使えるが半端なもの、不要なもの→まとめてリサイクル業者に
●メモ シンプルなものが残っていく
✜母が入院したとき、生鮮食品はすべて引き上げました。しかし、乾物や調味料は残っていたせいか、よくみるとGが侵入したようで細かなふんが見つかりました。
なので、調理台近辺にあった古いザルやボウル、フライ返し、お玉、鍋類、箸などはほとんど処分しました(もえないゴミ・有料)。
✜幸い食器棚はG侵入を免れましたが、飾り棚にあるもの以外の半端なものは処分しました。
母の一時帰宅、正月に親族が集まったときに使う取り皿、大皿、コップなどを残して出しやすいようにしました。
✜その他のまだ使えそうな食器は、リサイクル業者(後述)の引き取りのときに持っていってもらいました。
✜実家のある市には、もえないゴミ削減のため、せとものや金属類を市民センターや公民館で拠点回収しています。余裕があればそちらに持っていけばよいのですが、大量かつ足がないために諦めました。拠点回収でなく、自宅前に出せるとよいのですが…。
✜結果的に残った食器は、
・無地、または無地に近い絵柄
・場所を取らない
・洗いやすい形
・軽い
ふだんからこうしたシンプルで使い回しのきくもの中心に揃えるとよいのかな?と思いました。
食器にこだわりや趣味がある方はなかなか難しいことではありますが…。
寝具
- 母が使っていたもの→一時帰宅の仮眠用に、整理して残す
- 父が使っていたもの→リサイクル業者の引き取りに出す
- その他、予備、客用布団→新しいもの2組だけ残してリサイクル業者の引き取りに
- 座布団→もえるゴミに(調べたら、本来は粗大ゴミでした!! ごめんなさい)
- タオルケット類→市の布・衣類の回収へ
●メモ 業者引き取りまたは粗大ごみ
✜子供が結婚・独立した家には、子どもや孫が泊まるための寝具が大量に残っていることが多いです。
孫も中学生くらいになり、祖父母が年をとると、出番はほとんどなくなるのですが、きれいなので捨てられないまま古くなる…という感じですね。
押し入れに入り切らず、廊下の隅に押し込んであったので、すべて出して点検するのがたいへんでした。
✜故人の葬儀の前夜、息子ふたりが実家に泊まったことを考え、新しそうなもの2組分を残して、リサイクル業者の引き取りに。今回はコピー機の回収のついでに業者に頼みました。
✜市の粗大ゴミは、布団1枚200円なので、通常はこちらの方が安いと思います。
家具・家電
- パイプベッド、洋服ダンス、座卓など→リサイクル業者の引取に
- 業務用コピー機・ミシン→リサイクル業者の引き取りに
- 壊れたラジオ、ケーブル類→燃やせないゴミ
●メモ 家電は燃える、燃やせない? 粗大ゴミ?
✜家具・家電は燃えないゴミなのか粗大ゴミなのかの判断が、なかなかめんどくさいです。
間違えて、掃除機をゴミ袋に入れてしまったら、回収日に札を貼られて置いて行かれ、ちーん…。
市の方も、ホームページに50音順索引や、品物名検索ページをつくって必死の努力をされているので、
ちゃんと確認するようにしました。
✜実家の市の基準
- 30センチ以下の小型家電=燃やせないゴミ または拠点でリサイクル回収
- 30センチ以上=粗大ゴミとなっています。
- 携帯ラジオや30cm以下のラジオは=燃やせないゴミ
✜掃除機本体や電気ストーブはゴミ袋に入りますが、粗大ゴミとなります。
このあたりは自治体のホームページや配布されているゴミカレンダーを見て覚えていきましょう。
わからないことは、ゴミ担当部署に電話で問い合わせたら、親切に教えてもらえましたよ。
その他、雑物
すべてを市の回収に出すと、時間もかかり手間がたいへんです。
2階のコピー機を搬出する業者さん*に、まとめていろいろ持っていってもらったおかげで、一気にスッキリしました。
出したものと費用は前に書いたものを含めて以下です。
業者の引き取り費用
廃品回収として -50,000円
- 業務用コピー機、パイプベッド、洋服ダンス、座卓
- 食器、衣装ケース1箱分、ミシン、布団10枚くらい
- 庭のバケツや金属の分別ゴミ箱、古い掃除道具
- 空になった衣装ケース 4,5個
買い取りになったもの +19,000円
- 切手ファイル 2冊
- 洋酒、銘柄の日本酒 4,5本
差し引き ー31,000円
この金額は高い?と思われる方もいると思われます。
ただ、使えるかわからない2階のコピー機を下ろす作業は、ジモティー等では引き受ける人がいなかったこと。
パイプベッドは階段の踊り場を通すのが難しく、工具で手際よく解体して下ろしてくれました。素人では難しいので、助かりました。
買取品の切手ファイルもお酒も、換金するとしたら、値付けを調べてフリマサイトに出すなど、手間のかかるものです。
技術も体力もない中高年にとっては、トータルで、納得感の高い方法だったと思っています。
ポイント
●出張リサイクル業者*で一挙にスッキリ。探し方と安くするコツ
家具や家電を「捨て方」などで検索すると、まず回収業者の広告が検索結果の上位に出てきますよね。
こうしたネット広告や、チラシで入ってくる回収業者にすぐ頼んでしまうのは危険です。
安く買い取るように見せて、法外な引き取り料をとられたり、宝飾品の押し買い(相場より安く強引に買い取る)をされることもあるからです。
もしネットで頼むなら、
【くらしのマーケット】などの比較サイトに登録して、評判がよくコスパのよさそうな業者にお願いする方が安心です。
何かあれば利用者から低い評価をつけられてしまうので、営業努力をしている業者を見つけやすいからです。
うちの場合は2階の書斎にあった業務用コピー機を、下ろして処分するという作業がありました。
市の回収は、原則家の外に出すことになっているので無理。2階からの搬出を引き受けてくれる業者を探しました。
条件は以下です。
1,地元から近くて土地勘がありそうなところ
2,不用品の買取と処分を両方手がけているところ
3,ネットの評判がよさそうなところ
2件に出張見積もりを頼みました。
どちらも家の中、外を見回って、回収できるもの、できないものを見た上で、その場で見積もりを出してくれます。
・業者A→コピー機の搬出はOKでしたが、買い取りには消極的。見積もり55,000円(税込み)
・業者B→買い取りに積極的。買い取り品との相殺で見積もり31,000円(税込み・内訳は上に)
コミュニケーションも円滑だった、B社に決めました。
相見積もりは必ずとる
前の業者の見積もりがあると、なんとか安くしようと工夫してくれます。こちらも納得感があり、親族に説明するときもコスパ面の努力を認めてもらえます。
移動が難しいものは業者に
大型家具・家電など、動かすのが大変なものは、ハウスオフなどのリサイクルショップに持ち込むより、出張買取・回収の方が圧倒的に楽ですね。
値がつきやすく、交渉もしやすいのでおすすめです。
掃除のこと
古い家、古いものの片付けは、ホコリを払う、汚れをとる、洗う、乾かす、磨く…といった清掃作業がついてまわります。
機械と洗剤の力も借りて、きれいにしましょう。
各部屋の掃除方法
- まず窓を開ける
- 柄の長い化繊バタキで、ホコリを払う
- 1時間位してホコリが床に落らた、ルンバを回す。(1部屋に閉じ込めて掃除機がけしてもらってる間に、私が隣室を片付ける)。
これを繰り返すと、楽にすっきりします。
*ルンバは家で使っていなかったものを持ってきました。
棚や引き出し
長年のほこりや手垢、油などが固まって隅に付着しています。
セスキ水*を吹きかけて少しおき、ボロ布でこすると、ほとんどの汚れはとれて、新築か?って状態になります。
*セスキ水=市販のセスキ炭酸ナトリウムを水200ccに小さじ1杯を溶かしたもの。
700ミリリットルのペットボトルにつくり、100円ショップの霧吹きノズルを取り付けて常備しています。
市販の住まいの洗剤のように2度拭きの必要はなく、重曹水のように拭き跡も残らず使いやすいです。
キッチン周り
これもセスキ水を吹きかけて少しおき、ボロ布で拭きます。
油がこびりついているところは、スコッチブライトやステンレスたわしを併用します。
ステンレスたわしはすぐに油で真っ黒になるので、小さめのを買います。100円ショップにもあります。
シンク下のものも全部出し、しいてある紙などを捨てて、ぜんぶ掃除機で汚れをとってから捨てます。Gの多いところなので、念入りに。
冷蔵庫
長年の汚れ、食品の汁などが細かい隙間に入り込んでいるので、拭いただけではだめで、ぜんぶ分解してセスキ水で掃除しました。しかし臭いは完全にはとれません。
しかも製氷機のパイプは分解不可。電源を切っていた期間に小さな虫がわいており、パイプに潜んでいる可能性もあるので、最終的には廃棄となりました(残念!)。
楽しくするこつ 聞くYou Tube、ラジオ、日当のこと
・自宅にいるとあれやこれやと用事を思いついて気が散りがちですが、人の家の片付けは集中しやすいです。
独りのときはYou Tubeやネットラジオの、音楽や興味のあるテーマの講義をつけっぱなして、作業をしました。
いつもゆっくり聴けない話で延々と耳学問がはかどり、とっても有益な時間になります。
・お昼とおやつは最寄り駅で買っていき、12時と3時にはテレビをつけて世間の動向を確かめつつ、休息をとりました。
コーヒーメーカーのカセットがたくさん余っていたので、カフェ気分でお茶ができて楽しいです。
・部屋が、家が、すっきりさっぱりとして、息を吹き返してくるのは快感で、6,7時間集中することもザラ。
夕方5時に戸締まりをして帰宅するときの達成感はなかなかのものです。
・成果はもちろんLINEで家族に送り、何をどのくらい処分したか、部屋がどんなふうに変わったか、どのくらいきれいになったか、わかるように報告します。
・「夫の実家会計」から交通費や昼食代を含め、3000円くらいの日当をバックしくれるので、「嫁のタダ働き」という感じはありません。
多いか少ないかはわかりませんが、私にとっては、気持ちよく片づけて、ちょっとお小遣いもらえるの、いいなって感じ。
実家の片付けもシャドーワークの一種。そうした納得感をもてることも大事ですね。
3,そして何が起こったか
①孫が祖父母の空き家に住むということ
半年ほど管理、片付けに通っているうちに、実家はだいぶすっきりしてきました。
築50年、建て増しして5DKの実家は、床や壁、柱に天然木を使って大工さんが手がけており、内装も建材もしっかりしてるな、ということも実感。
周囲を散歩して、東京郊外とはいえ、駅から徒歩7分。買い物も便利な上、再開発でおしゃれなカフェやパン屋さんが出現していることも知りました。
夫が退職したら、時々泊まるのもいいなぁ…それまで誰か住んでくれないかなぁと漠然と思い始めていた冬のある日。
いつものように週末に窓開け、水出し、草取りなどの作業についてきた息子が
「あれ、なんかこの家住める気がしてきた」と言いはじめました。
実家管理についてきても、車の運転くらいしか協力しなかった息子が、この日からせっせと不用品の処分や掃除機かけを手伝ってくれるように。
そのうちに電気匕ーターや空気清浄機、冷蔵庫、ベッド、サイドテーブル、布団などを選び始めて搬入。
正月明けには身の回りのものを持って、引っ越していきました!!
職場が近くなり、社用車で帰宅しても駐車場があるから便利。掃除や家事はもともと好きだったので、苦にならないよう。
熱帯魚の水槽も置いて、そのうち犬も飼おうかな~とご満悦です。
②新婚仕様に空き家を整備し直す
毎週末の空き家の管理は、息子という管理人ができて終了。自宅マンションも一部屋空いて、心地よさに浸っていたら間もなく。
息子が、大学時代からのお付き合いの彼女さんと、春には結婚して一緒に住む、と言い始めました。
しばらくは独りを楽しむのかと思ったそばからの結婚宣言。ふたりともまだ社会人2年。早くない? 案じる間もなく、両家顔合わせ、4月には役所に結婚届を提出。息子が引っ越して3ヶ月の早業でした。
空き家とはいえ、施設で暮らしている母の持ち物や家財道具は結構残っています。押入れや戸棚は使えないし、夫や夫の兄弟が残していった本や雑貨、机もまだ置きっぱなしです。
それでも、空いていた2階の和室をベッドルームに。他の部屋にかんたんな衣類ケースと無印良品の引き出しを置いて、服を収め、コミックや本、楽器、雑貨等はコピー機がなくなってすっきりした父の書斎に。親戚の集まりがあるかも…と揃えておいた食器も利用し、捨ててしまった鍋や調理道具を少しずつ揃えながら生活をはじめました。
父の大きな遺影や、昭和レトロな置物や人形等々もまだ置きっぱなし。こわくない?(笑)と彼女さんにきいたけれど、「写真は守り神と思ってるし(笑)ぜんぜん大丈夫」ということです。若いってすごいですね!
③空き家の相続問題。考えられる3つのケース。
さて、当面、家賃ゼロ、家財の費用もだいぶ抑えて新生活をスタートした息子夫婦。
今後この家はどうなっていくんでしょう。
現在の家と土地の持ち主は母。母は若干記憶があやふやにはなったものの、まだ理解力はあります。息子が結婚の報告にホームを訪ねると、喜んでくれて、実家に住むことも了解してくれたようです。
けれど、80代半ばで難病を抱えているので、この先何十年も元気…とはいかないでしょう。
夫は長男で兄弟がふたり。それぞれ結婚して近県に住んでいますが、マイホームを購入済み。
実家を継ぐ気はなく、甥っ子が結婚して住むことに異論はなさそうです。
ただ、相続の際には、家屋も含めて資産を平等に…と考えるのが今どきの普通でしょう。
この場合、持ち主がいなくなったあとの家はどうなるか?
- 長男が相続してその息子A(故人の孫)に賃貸する(ほかの兄弟にも同等の財産を分けた上で)
- 実家は売って現金にして相続する(Aは祖母の家を出て引っ越す)
- 母が元気なうちに直接、Aへの贈与の形にする
などが考えられます。
1,のケースでは、実家の場合、長男に現金が入らず、むしろマイナスになる可能性がありますが、家賃という不労所得が得られます。
2,のケースは相続が現金で解決され、いちばんすっきりしますが、一族の想い出の場所はなくなってしまいます。
3,のケースでは孫が相続人ではないので、相続ではなく贈与になり、税金がデメリット。親族に不公平感も残ります。
ひと昔前なら、長男が有無を言わず家を継いだのでしょうが、誰も継ぐ気がないところに、お金のない孫夫婦が住みついて、さて??って感じですね。
空き家に孫が住む話はよくききますし、何人か知り合いもいます。
孫が祖父母の家を継ぐ場合、何らかの税制優遇があれば、今後急増する空き家問題の解決の一助になるんですが…。
今後も日本の空き家問題がどうなるか、見守っていきたいと思います。
まとめ 片づけは、人生を好転させる
とにもかくにも毎週通って手入れが必要だった空き家が、1年も経たずに人の住む家になったのは有り難いことです。
「そこに山があるから登る」と言った登山家のように、「そこに古屋があるから片づけ」ていた私は、息子が住んでさらに結婚するという結末に、びっくりしています。
若者の晩婚化や少子化*が社会問題になって久しいですが、ある程度の広さと利便性のある住居に無料で住めるなら、多くのカップルが結婚にもっと積極的になるのかもしれません。
*少子化は戦後の出産ラッシュで一時的に人口が急増したリバウンドであり、若者の晩婚化や独身者増は主たる要因ではないですが。
自分の家も、人の家も、片づけるとその家本来の魅力が戻ってきて、住む人が元気になったり、新しい活用の道が開けたりするものですね。
私は引き続き、モノで溢れかえっている、もうひとつの実家、隣県の自分の親の家を、片づけていきます。
コロナ禍でなかなか進みませんが、こちらにも小さな奇跡が起きつつありますよ。
またの機会にご報告します!
専門家がよく言う「片づけるといいことが起こる」。これ、本当ですね!
コロナ自粛でステイホーム気味の今、開かずの引き出しひとつからでも、やってみてくださいね!
●かたづけスイッチが入るおすすめ本
捨てる技術 辰巳渚
ミニマリスト 親の家を片付ける やまぐちせいこ
持たない暮らしの始め方 riamo*