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大量の個人情報を、シュレッダーなしに無料で処理するには? (20箱の機密書類を溶解サービスに出しました)

オフィスはもちろん、家庭でも日々発生する個人情報などのマル秘書類。リモートワークの広がりや、 実家の片づけで、大量の書類に困っている人も多いのではないでしょうか?

破いたり、シュレッダーにかけるのはめんどくさいなぁ。宛名を消すスタンプも、すぐインクがなくなっちゃうし。大量にあるときはどうすればいいのかなー?

はいはい、大量の書類処分問題ですね。私は実家にあった段ボール21箱の機密書類を、業者さんに頼んで「溶解処分」してもらいましたよ。ある方法を使って実質無料。どんな方法なのか、順に解説していきますね!

■この記事の内容

  1. 個人情報などの機密書類をそのまま捨てるとどうなるの?
  2. 一般的な対処方法 がんばればできます。
  3. 大量の書類を一気に処分。ラクでエコな個人向けの書類溶解サービスとは?
  4. 私が段ボール20箱を、実質無料で溶解処理した方法 大量過ぎて手におえないとき

 昭和年代から30年以上の会社勤めで、私も大量の紙を使ってきました。社内焼却→シュレッダーへと、時代は移りましたが、個人情報保護法以来、公私ともにうっかり外に出せない書類は増え続けています

 その一方、特定の木材からつくられる紙パルフの節約のために、古紙回収も盛んになりました。環境に配慮はしたいけれど、負担は少なく。どんなスタイルがよいか、考えていきたいですね。

1、個人情報やマル秘文書、そのまま捨てるとどうなるの?

個人情報、機密文書にはどんなものがある?

代表的な個人情報と言えば、宛名の書かれた郵便物やダイレクトメール。その他、家庭ではクレジットカードや光熱費の明細、ネット通販の納品書、クリニックや薬局の明細、学校の配布物やテストなどなど。住所や宛名、経済や健康状況、通っている学校や学年などの重要な個人情報が特定できてしまいます。

在宅勤務にともなって、取引先やユーザーの情報が記された書類、企画書や計算書、決算書類など、社外秘の資料も手元にあるかもしれません。

そのまま捨てると悪用される可能性がある 

個人情報やマル秘の事項がある文書を、読める状態のまま、燃えるゴミや古紙回収に出してしまうと、万一悪意のある人が見た場合商売や犯罪のタネに使われてしまう可能性があります。そうでなくてもちょっとした好奇心で、近所の人にあなたのことを知られるのも気持ちのよいものではありませんよね。

2、一般的な対処方法 がんばればできます。

ふつうの家庭での対処方法は主に以下の5つ。 

1、やぶる、はがす、切り取る

郵便物の宛名はシールをはがすか切り取って、さらにやぶいて燃えるゴミへ。残りは古紙へ。

書類も少量なら手で細かくやぶいて捨てます。ぬらしてからやぶくとラクという人もいますが、ぬれゴミは焼却炉を傷めるので、乾かしてから捨てましょう。

2、はさみ

紙類を細かく切るための、歯が何層にもなったはさみも売れています。シュレッダー並みに細かくなりますが、手首や指が疲れるので、よほどチョキチョキするのが好きな人向け。特に高齢のご家庭では使われなくなって放置されがちです。

3、スタンプやマジックペンで塗りつぶす。

スタンプはケシポンが代表的ですが、100均でも売っています。宛名を消すのに手軽に使えますが、よーくみるとうっすら文字が読めたりします。1回に何度も押せば見えないですが、インクの消耗が早くなります。ポンポン押すのが好きな人向け。

油性マジックで塗りつぶす人もいます。いちばん効果的に消せるのはマッキーです。裏うつりしないように、新聞紙などをひいて作業します。インクの消耗が激しいのと、マジックインキのキュキュっという音、シンナーのにおいが苦手な人にはおすすめしません。

4、シュレッダー

 書類廃棄に悩む人類の救世主、シュレッダー。業務用の機械は、大量の紙を高速に飲み込んで細かくしてくれる快感もありますが、すぐにゴミがたまって、紙くずいっぱいの袋の交換作業はあんまり楽しくない。調子が悪くなったときのメンテナンスも必要です。いろいろ出てきた家庭用のシュレッダーも、大量に処分するのは辛い。手回しだったり電動でも2枚いれるのが精一杯という非力なものはたぶん使わなくなります。それでも1度つかってみたい、細かくするのが好きっていう人は試してみてください。

5、奥の手・包んで燃えるゴミ

書類の処理は、その都度すれば数分のことですが、紙が分厚いとか、どうしても時間がない、ためてしまった…という場合は、そのまま中身が見えない袋に入れてきっちり閉じ、燃えるゴミにいれるという奥の手もあります。燃えるゴミは、即、収集車に放り込まれて人の目にふれることはありません。ごみ袋の口もしっかり結んでおきましょう。ただし、他人の人生や会社の信用にかかわるような書類にはNGです。

ポイント

コラム ナチュラルローソンの個人情報書類回収BOX 】

ナチュラルローソンの一部店舗に、個人情報書類を回収するボックスが設置されました。

裁断して燃えるゴミとして処分していた紙類を、安全に再生紙の原料にリサイクルするという取り組みです。

 個人情報の記載のある紙(クリップやゴム、窓付き封筒は×)を入れると、株式会社デルエフという業者に搬送され、特殊なシュレッダーで再生原料に生まれ変わるそうです。デルエフではマンションなどにもこのボックスを設置する事業をすすめています。

書類処理の悩みをエコに解決するこうした取り組み、どんどん広がってほしいですね。

3,大量の書類を一気に処分。ラクでエコな個人向けの書類溶解サービスとは?

イメージです。

実家の片付けをはじめて、困ったのが段ボールに詰められて紐で縛られた書類。ミカン箱くらいの箱が20個くらいあちこちにあり、仕事の重要書類で、もし出回ると関係者に迷惑がかかる可能性があります。

業務用シュレッダーを買うほどでもないけど、ちぎるのはたいへん。調べたら宅配業者や業務ごみの処理業者が、書類を溶解処理しリサイクルサービスを個人向けにも行っていることがわかりました。調べたのは下の2社です。

1,郵便局(日本郵便)の紙のリサイクル 書類溶解サービス

  • 窓口に申込書を提出→
  • 7日以内に届く専用キット(はがき2500枚ほど入る箱)に入れる→
  • 郵便局に持ち込むか集荷依頼(本人確認書類が必要)
  • 料金 1箱2,880円(試行価格)

2、大塚商会 法人および個人事業主向け 機密書類の溶解処理サービス メルティボックス2

  • 申込みサイトから必要事項を入力→
  • 受付後2週間でマニュアルとバーコードシールが到着→
  • 処理依頼書をファックスして集荷依頼。
  • 料金 1箱1,800円

どちらも開封せずに箱ごと溶解処理され、完全復元不可。段ボールなどにリサイクルされます。

大塚商会のほうが、好きな箱を使えて1,800円ならいいかな?と思ったのですが、ちょっと待った!

もっと安くする方法を思いついたのです。

4,私が段ボール20箱を、実質無料で溶解処理した方法 大量過ぎて手におえないとき

大手以外にも、書類溶解サービスを個人向けにも行っているところがいくつかあるのを発見しました。

そのひとつが足立区の廃棄物処理の会社、竹下産業さんです。

タケシタの機密書類処理サービス「T-CUBE(ティーキューブ)」

手順 宅配便の伝票を用意→サイトから伝票番号を送って申し込み→30日以内に発送。

料金 宅配便の送料のみ。

前述の2社と比べると圧倒的にシンプルです。ほとんど送るだけ。すでに入っている段ボールが使えて、ホチキス、クリップはそのままでOKというのもかなり助かります。いちばんの決め手は好きな宅配業者を使えるという点です。

というわけでこちらに決めました。

で、ここからが重要な話ですが、送るだけなら、実家の場合、宅配料金はタダにできるのです。

え?なんでかって? 

ゆうパックです。郵便局の宅配サービス、ゆうパックは、なんと、眠っている切手を利用して、料金を支払うことができるのです。

実家には、故人が若い頃から集めていた切手アルバムやバラ切手が山のようにあります。今回はこのうち、特に「お年玉切手」という年賀状のくじでもらった切手で送料を払いました(コラム参照)。

お年玉切手=タダ というわけです。

切手の処分に困っている人は、ぜひタダで書類を処分しましょう。

ポイント

コラム 眠っている切手の有効利用

大量の切手の処分も、なかなかたいへんです。プレミアのつかない普通切手は、買い取り業者やフリマで売るより、使ってしまうのがいちばん手間がかからず買った値段と同等に有効活用できます。

今回はこの切手、なかでも昭和50年代以降の「お年玉切手」のみを使いました。

お年玉切手とは何か? 年賀状のやりとりが盛んだった頃、何百枚と届いた年賀はがき。下方にある番号を1月15日に発表される当選番号と照合するといろんな商品がもらえます。ちなみに2020年の特等は、オリンピックの開会式または閉会式のペアチケットでした。夢がありますよね。で、下2桁が合致する3等に当たると、年賀切手シートというものがもらえます。100枚につき、2,3枚はたいてい当たるので、昭和の人はこまめに照合して商品をもらいに郵便局へ行ってました。

当たると嬉しいですが、1シートはその昔7円とか10円×2,3枚。デザインが犬とかへびとかその年の干支なので、まさか暑中見舞いには使えないし、結局たまっていくだけなんです。

これがもう、大量に出てきたので、今回は送料に充てました。総額4万円近く。いったん郵便局に持ち込んで、500円、100円などの切りのいい切手と交換し、宅配便の人が数えやすいようにしました。1枚につき5円の手数料がかかるんですが、これも切手で支払う形で計算してくれます。手数料は約3,800円。すぐ数えられる切手が約36,000円分になりました。

21個のゆうパック代は25,620円。おつりがくる額でした。

溶解業者にゆうパックで送り、切手で支払う場合の手順

実際の配送伝票の控えとゆうパックの領収書です。
  1. 書類を段ボール箱にいれる
  2. ゆうパックの伝票をつくる(書くのがたいへんならWEBゆうパックプリントを利用) 
  3. 伝票を「T-CUBE Post 申込(個人様用)のHP」に登録する 
  4. ゆうパックの集荷を依頼 
  5. ゆうパックの伝票を箱にあらかじめ貼っておく *WEBゆうプリで印刷した場合は、のり付きの透明シートを郵便局でもらって入れる。
  6. 集荷が来たら料金を計算してもらい、切手で払う 
  7. 業者から証明書がメールで届く。

21個のゆうパック代は、25,620円。すべて切手で支払いと事前に申し込んであったのですが、集荷担当の方は切手の量に若干驚いていました。

100円切手×100枚のシートが2枚で2万円。あとも数えやすい切手で払ったので、あっという間に精算でき、無事に集荷終了

3日後、タケシタ産業さんから機密抹消処理証明書という書類がメールで届きました。担当者のハンコもあって、ひと安心です。

この業者、ほんとうに大丈夫? 宅配便が事故にあったら? など心配な方もいらっしゃると思います。慎重な方は、もっと大手にお願いしたり、セキュリティ輸送という機密文書専用のサービスもあるので、そちらを選択してください。

今回のケースでは、とても古い書類で関係者がほぼ故人。リスクをとっても大丈夫という家族との話し合いの上で行いました。とはいえ、ゆうパックをWEBで頼んだので、配送完了通知がすぐに来たこと、業者から証明書が届いたことで、かなり安心したことは確かです。

まとめ

さて、片づけ中の実家から21個の古い段ボールが、安全、エコに処分できて、ものすごくスッキリしました。通り道や部屋の一角、玄関のもの入れなんかを占領していたものがなくなって、空間が広い!! それ以上に、家族がみな、ずーっとなんとかしなくちゃ…と重荷になっていたものがなくなった精神的効果も大きいです。お正月は親族が気持ちよく集まることができそう。

書類溶解サービスに限らず、パソコンや不要品も送るだけで適正にデータ消去、リサイクル、処分してくれる業者があります。同じように切手をつかって、お金をかけずに気持ちよく手放していきましょう。

延々と破いたりシュレッダーにかける手間が一切なくなる、個人向け、機密書類溶解サービス、お困りの方はぜひお試しください!!

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