こんにちは。桜畑です。大好評の「会社脳から脱出する」シリーズ、第3の習慣は「経験を反芻する」です。
30数年も会社員をやると、過去は振り捨て前へ!という思考がしみついちゃいます。
セミリタイアしてしばらくして、ようやく「人生って、味わうものだったんだな」と気づきました(笑)。変化が激しい時代だからこそ、川底に竿をさして、流れを見つめる時間をつくりましょう!
こんな疑問に答えます
過去は振り返っちゃだめなんじゃないの?
経験が通り過ぎていくだけで、虚しい…
どうしたらもっと人生を味わえるの?
- 深く考える習慣
- 勝手に独学する習慣
- 経験を反芻する習慣✔
- 人の期待に応えない習慣
- マイペースに休む習慣
目次
1,会社員の毎日は、振り返る余裕はない
①前進、また前進!
会社というところは、時代とともに商品を刷新したり、新たなモノやコトの価値を生み出すことが命題の組織。前例や過去の成功体験を超え、突き進むのがよしとされます。
「過去の栄光はいらない。人は、今、何をしているかだ」
いい言葉ですね。……って、私が今考えたんですけど(笑)。
じゃあ、思い出すべき過去、思い出し方とは?
②反芻しなくていいこと
自分のしょうもない失敗や、人に言われて傷ついたことーー。人はついついマイナスな記憶を脳の中でグルグルグルグル「反芻」しがち。
その結果、「あの時(3年前)あなたにこう言われて辛かった」(笑)とか、根に持つ人になったりして、百害あって一利なし。
愚痴と恨みはノート(*)に書いたり、友人やカウンセラーに聞いてもらいましょう。そこからの学びだけすくいとって、残骸は葬り去ることです。
*ノートについてはこちら
【朝活】モーニングページって何?本当のやり方と効果。知恵の泉にアクセスすると人生が変わる話。
③反芻するといいこと
反芻すべきは「おいしい干し草」と「栄養のある干し草」です。
思い出すと、自然に口角があがって、おだやかな顔になる楽しいことやおもしろかったこと。当時辛かったとしても、深い意味のある体験と思えることなど。
「恐怖、怒り、恨み、悲しみ」などの「まずくて栄養のない干し草」を何度も反芻してしまう人は、心の癖を取り除く習慣をつけましょう。
*参考 クヨクヨしがちな人におすすめの本
セルフ・コンパッション[新訳版] 有効性が実証された自分に優しくする力
敏感すぎるあなたへ 緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる
2,モノを整理しながら反芻する
①子ども部屋の想い出品
さて、リタイアして、「記憶の反芻って結構いいんじゃない?」って気づいたのは、子ども部屋を書斎に模様替えをしているとき。
小学生時代をふたりが過ごした部屋には、工作作品や、ポケモンフィギュア、映画や旅行の想い出グッズ、友達にもらったガラクタ、絵本やライトノベル等々がまだ残ってました。
フルタイムで働き、子どもと一緒にいる時間の少なかった事は心残り。でもこの部屋を整理してたら、子どもたちが幼児、小学生時代をわくわく楽しんで成長したことが感じ取れて、ほんわかした気分になれました。
➁ガラクタが並ぶクリエイターの家
仕事の関係で訪れることもあった、絵や写真、工芸品作家さんのアトリエや自宅。
作業場はシンプルでも、本やガラクタをセンスよく並べている人が多かった。それらからインスピレーションを得て、作品が生まれるからですね。
なんにもないミニマリストの部屋にも憧れますが、日常の中で目に触れるモノから想起される思考やアイディアも、結構大事なんですよね。
③意味のこもったグッズは飾る
子ども所有物のうち、明らかなゴミや不要品は捨て、大半は箱にしまいました。
でも、たとえば本棚の一角はハリーポッターコーナーにして、秘密の地図や剣のレプリカを置いてあります。自室に「子どもたちが幸せに生活した」雰囲気を残したかったからです。
ときどき絵本の背表紙や、飾ってあるグッズを眺め、子どもたちの小さいときのことを思い返します。空で考えるとマイナス思考になりがちな子育て期間の記憶を修正し、フルタイム共働きのプラス面、マイナス面を、客観的に考えることができます。
想い出のモノや本をトリガーに、過去のことを反芻するのは、幸せになるための習慣のひとつ。でも、ガラクタが多過ぎると、今、これからに支障が出る。よいバランスを探りたいですね。
3,読んだり書いたりしながら反芻する
①3分ストップ読書
「昼から読書」はひきこもりセミリタイアー最大の快楽です。しかし、よほどの頭脳の持ち主でない限り、ただ読んだだけでは記憶が定着せず、時間とお金を失います。
世には3分読んだら本を閉じて、書いてあったことを反芻する…という読書法があるそうです。脳トレにもなるし、ゲーム感覚で本を消化するのにとてもいい。
また、読みながらノートをとって、その場で反芻するときもあります。時間があればこの方法も達成感があっていいですよ。
➁ノートを書く、読み返す
朝起きたら書く「モーニングページ」や本の抜き書き、感想、その他備忘録等。この「なんでもノート」は、折りにふれて読み返します。
50代ともなると、昨日の自分はほとんど他人。数週間で、こんな本読んだっけねぇーなんてなるので、読み返さなければ宝の持ち腐れです。
4つの胃を持つ牛さんが、のんびり草を食むのを思い浮かべながら、ノートの文字を味わいます。PCで書くと、書いたことさえ忘れる(←どんだけ~!)ので、やはり現物は強い。「ノートで反芻」がおすすめです。
③本棚の本の背表紙を「見る」
長年溜まった本は、鬼の心で処分しています。数10年の中で、生き残った本。その背表紙をみているうちに、アイディアがわいたり、あれはそういうことだったのか…と思考が結びついたりすることがあります。
背表紙を見て、何度も内容を反芻するような本は残しておく価値がありますね。
最近は電子書籍のKindle読むことも増えたので、時折「ライブラリ」(購入した本が一覧表示される画面)をさかのぼって表紙を眺めるようにしています。
読んだ本をざざーっとまとめて反芻。これも大事な習慣です。
4,散歩と旅で反芻する
①地元を歩く
歩くことで脳が活性化し、数学の難問が解けたり、新しいアイディアを思いついたりしやすいのは周知の事実。
ご近所散歩は子どもの通った学校や保育園、遊んだ公園や神社、たまに外食した店など、想い出の宝庫。次世代の子が同じ場所で同じように遊んでたりするのを見ると、こうやって脈々と人類はつながっていく(笑)とほっこりします。
転勤族だった桜畑は、どこに何の花が咲くか。この店は、その前はなんだったか?とかを知ってる「地元」があるのは貴重なことと思います。縄張りを見回るネコ歩きのごときご近所散歩、大事な反芻時間です。
➁育った場所を訪ねる
小学校のときに住んだのは北海道。大人になって観光で訪れても、内地(本州)とは全然違う空の色と空気感に包まれると、「ただいま~」ってなります。
そして、〈冬は小さい「かまくら」をつくって、中にこもって遊んだなぁ…あの頃から「ひきこもり」が好きだったのね~(笑)〉とか思い出す。
育った場所から離れてしまいがちな現代人。ときどきは懐かしい場所を訪れて、幼少期好きだったことや夢中になったことを思い出すといいですね。自分は本来どんな人で、何をなすべきか?人生後半のヒントがたくさん隠されているはずです。
③旅を味わう
会社員時代は、仕事の合間になんとか時間をつくっての家族旅行…。帰ってきたら、写真を見返す暇もなく、たまった仕事の山に向かわざるを得ません。
しかしセミリタイア後の旅行は、「おうちに帰ってからも、遠足」(笑)なのです。
小学生の自由研究みたいに、乗り物やミュージアムのチケットをスクラップしてもよし。昭和のお母さんみたいに、ご当地グッズを棚に飾ってもよし。
そして、スマホやカメラ内の膨大な写真。フォトアプリに「3年前を振り返りましょう」とか言われても「これどこだっけ?」ってなってませんか?
セミリタイアーは、お気に入りの写真を選んで、「プリントアウト」する。ピンナップボードに貼って、リビングにどーんと飾ります。ゆっくりと眺めてもう一度心の旅ができます。「ここ、なんだかほっとしたなぁというパワースポットに、セカンドハウスを建てて住んだら…とかの妄想もできます。
はい、旅の価値が100倍になりましたね。
ひとつの旅でも、帰ってから繰り返し反芻して味わうことで、単価を爆上げしましょう。(「感染拡大へGO!TOトラベル」よりも、お得感ありますよ)。
5,まとめ 人生を振り返り、味わう時間を持とう
戦線の兵士のように、来る日も前進を強いられる会社生活から抜け出した、セミリタイアー。
せっかくの時間資源を活かし、「片づけ、散歩、読書、旅行」など、じっくり反芻しながらやりましょう。
過去をじっくり反芻することは、
- もういちど自分と出会う
- 今までの経験を祝祭する
- 自分の本来の願いをかなえる
などにとっても有効。
世のため人のため、家族のためにバタバタと走っているあなたも、ときに「反芻する習慣」を心にとめてみてくださいね。
「過去を再訪すると、人生が快くあなたを迎え入れてくれるようになる」
ーージュリア・キャメロン 『いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。』
それでは、また次回!