こんにちは、桜畑です。セミリタイアして1年2か月。長年勤めて退職した会社の人から、ちょろちょろと相談のような愚痴のような情報が流れてくるようになりました。しばらくは遠慮してたみたいですが、まぁ、仕事をしてる限り、なんやかやありますよね。
そこで、今の時点で、「仕事してるときはこういうことがよかったな」と思ってることと、「いやぁ、なくなってよかったなぁ」と思うことをランキング形式でまとめてみました。
退職前には思いもよらなかった項目が結構あります。なんにせよ1度「捨ててみる」と、見えないものが見えてくるということですね。
それではまず「残念なもの」。下から順に行ってみましょーっ!
目次
1,消滅して残念なものランキング
7位 安定収入
同じセミリタイア族でも、資産収入で生きられる富裕層や、FIREした人は、会社をやめても利子や配当、家賃などの「安定収入」があります。
桜畑のような「貯金があるから、年金出るまでなんとかなるでしょ」という程度でセミリタイアした人間にとっては、毎月毎月、何十万というお金が振り込まれるってすごいことだったなぁ~と思います。成果を出しても出せなくても定額。これが会社のいいところですね。
とはいえ、給与という安定収入の裏にある搾取構造やめんどくささも嫌というほど知っています。すべての人に無条件で配られる「ベーシックインカム」という安定収入なら、もらってみたいですけど。「給料」はもういいかな。
6位 他人を助ける・育てること
仕事を辞めて、こんなでいいのか?と時々思うのは、家族以外の「他人を助ける・育てる」チャンスがあんまりないことです。
会社に長くいると、嫌でも仕事の勘どころや会社の事情に通じてきます。上司(社長含む!)・同僚、後輩を問わず、人が困ったり悩んだりしてる時に、経験からちょっとしたアドバイスをしたり、話を聞いてあげることってありますよね。少し顔が明るくなって、翌日から元気に仕事にむかう姿をみると、ほっこりするもんです。
中には人生に迷っている人もいて、紆余曲折あった自分の経験が参考になることもあります。こういうのってすごく感謝されるし、なんか仕事の業績とかとは別の満足感がありますよね。
ならボランティアとかすればいいものを、なんせひきこもりなので…。よほど引きずり出されないとやる気になれない。縁のある人を人を助ける、育てるということが自然にできるのは、案外、会社で働く利点だったかも。
5位 給湯室の雑談
会社には20代の若者から百戦錬磨の壮年、老年まで、各種の人材が揃っています。給湯室に限らず、ランチや帰り道、残業の夜にかわす会話。仕事に関係あったりなかったりだけど、意外と含蓄のある話をきけたりして。雑談タイムも、会社という娯楽の一種ですよね。
いろんな世代の人の考え方や、全く知らない趣味のことなんかを教えてもらって、有意義といえば有意義。ひとりの人の背後には、百科事典分くらいのストーリーや知識がありますもんね。視野が広がりました。
4位 タダで見る人間ドラマ
巻き込まれずに観察しているだけなら、多様な人の集まる会社で繰り広げられる人間模様をみるのはおもしろいですよね。反目してたと思ったら急接近。大丈夫?と思ってた若者が、急に力をつけて上司を超えてくとか。
「事実や小説より奇なり」。長くいるとそこらへんのテレビドラマ以上にリアルでレアな事件を目撃できて、それなりの魅力になってるかも。
しかし、私にとっては20代から30年以上も続く長尺ドラマ…。登場人物も代替わりし、昭和やバブル時代の方がエネルギッシュでおもしろかったかなぁ…(笑)。
3位 強制的な運動
通っているジムのフィットネスチェックで、足の筋肉が落ちてますよっ!て言われた桜畑。通勤や出張、会社の中の移動で、自動的に足を鍛えられていたことを痛感しました。
セミリタイアの理由の1つは、通勤や移動に疲れたこと。でも都会人は、この強制的かつほとんど無意識の運動で最低限の運動量を保っているんですよね。
お金払って通うジムや、自発的な散歩やウォーキングより、無心な通勤の方が、ある意味ラクに続けられるエクササイズかも…。
2位 通勤定期券
これがなくて残念…と思う第2位は「東京郊外→都心」の通勤定期です。
乗り降り自由な通勤定期は、都心の待ち合わせや買い物、映画や美術館、催し物に出かけるのがとっても気楽。どんどん出かけてくださいね!って言われてる感じがします。
定年退職の場合だと、シルバーパスなどの交通費助成制度があったりしますが、50代は特になし。ひきこもり体質の私は半径500mを楽しめますが、活動的な方は慣れるまでちょっとびっくりするかもですね。
1位 連休前のワクワク
もうあの輝きは2度と戻らないのね…と、残念に思ってることのダントツ1位。それは、ジャーン!!
「週末とか連休前のワクワク感」です。
えっ、1位は仕事の達成感じゃないの?!って思うかもしれませんが、達成感は趣味とか家のこととかでも結構感じられるんですよね。
でもあの1週間必死で働いたあとの、やっと自分にもどれるーっ、自由だぁーっていう羽がバサバサ広がる感じは、もうない。
だって、すでにもう羽が広がりきって、毎日広い空を自由に羽ばたいているから…。
家族や知り合いが、明日から休みだーって喜んでるのをみると、あんなだったけなぁ~と懐かしいです(そのために戻りたくはないですけど…)。
2,消滅してよかったものランキング
7位 会社員の身分
仕事とともになくなってよかったと思っているもの、第7位は「会社員の身分」です。「正社員」をステイタスと見る人もいますが、実質的に役立つのは住宅ローンやクレジットカード作成のときくらい。
むしろ「従業員を見ればその会社がわかる」と言われ、服装、言動、立ち居振る舞い等に無言の制約があって、重たい。SNSやブログなんか、身バレがこわいし、つぶやきひとつあげるにも気を使ったり…。
今は、そういう縛りがなくなって清々しい。毎日ラクな服を着て好きなことつぶやいていい!これは辞めてみないとなかなかわからない境地ですね。
6位 真っ黒なカレンダー
会社員時代は、公私の予定で手帳やグーグルカレンダーがぎっしり。歯医者の予約とるにも難儀してウンザリ…でした。
退職とともに、ミーティングだの出張だのがきれいに消滅し、コロナをいいことに人と会う予定も入れないので、カレンダーは見違えるほどスッキリ、スカスカ!「森林浴なら天気のいい日に」「映画なら優待デーに」とかんたんに予定が組めます。
真っ白、広々のカレンダーを眺めてると、人生の可能性が無限に広がった気分。セミリタイアひきこもり生活の豊かさの象徴です。
5位 大量のメール
会社員である限り、社内外のメール処理は、大事なお仕事。とはいえ、自分宛ての依頼、連絡、宣伝、確認etc.…はまだしも、一斉送信や、アリバイづくりのC.C.メールは年々増えていませんか?
退職前、コロナ蔓延でテレワークが続いたときは、家にいても一日中メールに追われて、ウキーッ!て感じでした。
会社のアドレスを完全に消したあと、シンプルで見やすい受信トレイに感動。返信すべきものなんて週に1通もなし。ものを考えようと思ったらこれくらいで充分! です。人の処理能力を超えたメールやチャット問題、いつ解決するのかなぁ…?
4位 連休明けのゆううつ
「消滅して残念なもの」の第1位に輝いた「連休前のワクワク」と対になる現象、それが「the・休み明けのゆううつ」ですね。
そもそも週末のワクワクって金曜の夜~日曜の朝くらいまで。日曜も午後になると家族の雰囲気もドヨーンとしてくるなか、ひとり夕食づくりなんかしてると気分はだだ下がり…。
特に連休最終日、自分がどこの誰かも忘れていたのに、だんだんと難題や山積作業が頭の中にもどってくる…。あの気持ちは、何度経験してもイヤですよね。
Twitterで「ブルーマンデー」「連休明け」がトレンドになるたびに、ああ、もうこの思いを永遠にしなくていいんだ!と感謝し、重い足取りで通勤する皆さんに、心で合掌しています。
3位 たくさんの人と情報
多くの統計で退職理由の上位になるのが人間関係。一般的には待遇の不公平とかハラスメントが理由でしょうか。
でも私は個別なできごとというより、全体的な人間過多&情報過多から離れてよかったなぁと思います。
人が集まればそれぞれの思いが交錯し、時間とともに複雑にねじれていくのは自然現象。そうかんたんに解決しません。
若い頃は人間観察して楽しんでても、立場が上がると巻き込まれざるを得ず、神経を使います。自分の許容量を超えたら、思い切って離れてしまうのもアリではないでしょうか。
2位 動かせない締め切り
仕事の期限=「締め切り」。自分の締め切りを守るのもたいへんなのに、他人の締め切りも管理するのがお仕事というもの。ですが、この「いつも何かに追われている感」が消滅することで、退職翌日から生活と気分は一変。
今日、明日、今月、今年何をするか?自分で決めることに慣れていくと、ほんとうに自分の人生を生きているという感じがします。もちろん自分で締め切りを決めることはありますが、体調や急な用事でダメなら、自由に調整可能だし。
「締切」「deadline」があるからこそ、効率的に大きな仕事ができるのも確かですが、50代を過ぎたらあんまり流れにさからわず、ゆるゆると生きる方が、結局いい成果が出るんじゃないかなぁ…。
1位 自分を捨てている時間
「仕事とともに消滅してよかったもの」第1位は「自分を捨てている時間」=「好きでも得意でもない仕事や、成果の出ない意味のない業務の時間」ですね。
30数年も働けば、若い頃からの修行により、大抵のことは一見、苦もなくできてしまいます。
でも例えば「電話をかける、受ける」とか、「形骸化した書類」等々。「できるけどイヤ」なままのことってあるんですよね。いい年してワガママ(笑)なようですが、それもちゃんと見つめるって大事。
ほかにも「ほぼ結実しないブレーンストーミング」とか「伝統だからやるイベント」とか。経験則で何がムダか見えちゃうだけに、地味に辛い。変える努力もしたけれど、組織が変わるより先に、自分がどんどん進化しちゃいますからね。
セミリタイアしてひきこもったら、ほとんど自分が得意で好きなことだけで毎日を埋めることができて、精神衛生上とてもよいです。
「自分を捨ててる時間」を放置してきたのもまた、自分なんですけどね…。
もしかして私「自分を捨ててる時間」が長いかも?って感じた人は、新しい道を模索してみることをおすすめしますよ。
3,まとめ 自分は消滅しない。させない。
①会社生活のメリットは出会いと修行
50代まで勤めて会社を辞めてみて振り返り、あ~、退職と共に消滅してしまったけど、こういうところ、よかったよね~って懐かしく思うのは以下。
復習
消滅して残念なものランキング
1位,連休前のワクワク
2位,通勤定期券
3位,強制的な運動
4位,タダで見る人間ドラマ
5位,給湯室の雑談
6位,他人を助ける・育てること
7位,安定収入
これでもしぼり出したんですが、涙がでるほど残念…とまで思うことはないですねぇ。結局会社のメリットって、集まって共同作業できるところ。いろんな人と出会えたり、心身共に鍛えられた上に、お金ももらえたことには感謝!ですね。
会社は人生の目的が明白じゃなかったり、好きなことで生きるにはお金が足りない時には、とっても有り難い、頼りになるところです。会社員をすることは、本当の人生を始めるための修行みたいなものかなぁって思います。
それにしちゃ30数年の修行…は、長かった気がするけど…
②なくなってよかったのは「心が押しつぶされてる時間」
50代でセミリタイアし、仕事と共に消滅して、本当によかったなぁ~って思うのは以下。
復習
消滅してよかったものランキング
1位,自分を捨てている時間
2位,動かせない締め切り
3位,たくさんの人と情報
4位,連休明けのゆううつ
5位,大量のメール
6位,真っ黒なカレンダー
7位,会社員の身分
ひとことで言って、心の奥がぎゅーっと押しつぶされてる時間ってことでしょうか。
せっせと働いてるときって、あんまりそれに気づかなくって、「忙しいけど、わたし今、輝いてる!」とか思ってたりします。「ぜんぶが大好きな業務だけ。楽しいっ!」なんて人はいいんですが、ふつうは嫌なこと、謎なこと、ムダなことも混ざってますよね。
「充実してるー」って思いこんでるときでも、笑顔がひきつってないか?気をつけたほうがいいかなぁと思います。
③何があっても自分自身は消滅しない
こうしてまとめてみると、会社を辞める前に「残念だなぁ~」って考えてたことって「ん?そんなに残念でもないなぁ~? ていうかどうでもよくなってきちゃったな」ってなってて(笑)びっくりしました。
結局、好きなことに没頭する充実感とか、共同作業の楽しい面とかは、今も手放してはいないんですね。セミリタイア生活だからこそ好きなことに集中できるし、家族や趣味のつきあいで、ほどよい共同作業の機会があります。
仕事熱心で何10年も働いてきた人って、「会社=自分」みたいに感じがち。でもたとえ転職や早期/定年退職で辞めて、会社員のメリットが消滅したところで、自分が消滅するわけじゃないんですよね。
むしろ、長年の修行の末に、思ってもない力をつけた自分が、ゴジラのように、海の中からぐぐぐーって全身を現すかもしれません。
毎日の仕事の中で自分を失わないために、仕事を辞めたら消滅するものって何か?たまには真剣に考えてみましょう。本当に大事なものは、どこにいても、何をしていても消さないように!!
それではまた~!