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住宅ローンの完済70代は危険。借り換えと繰り上げで、返済総額を劇的に圧縮した方法

35年の住宅ローンを組むと、返し終わるのは70代。マイホームはほしいけど、借金にしばられる人生ってどうなんだろう?

わかります!住宅ローンの光と影。35年ローンを、繰り上げ返済と借り換えで、25年で返したわが家の話をしますね。

住宅ローンの完済年齢が70代って、どいうこと?

先日、こんな新聞記事が話題になりました。

住宅ローン完済年齢上昇 平均73歳
年金生活不安定に。審査、老後リスク吟味必要。

住宅機構の「フラット35」で借りた122万人の分析。退職後も住宅ローンを返済し続ける高齢者が増えそう

2020/10/5付日本経済新聞 朝刊

わが家も結婚後3年目に長女が生まれてマンションを買った当初、住宅ローンの完済年齢は70歳(夫の年齢)の設定でした。住宅ローンは後から期間を延ばせないので、最初は長めに設定しておく、というのが一般的です。

お金を貸す側にとっては返済期間が長い方が多くの金利をとれます。借りる側は前倒しで返済してしまうほど、払う金利が少なくなります。ローンを組んだ最初は70代までの設定だっとしても、前倒しで返済して遅くとも定年退職時にローンゼロにすると、その後の人生はとっても楽になります。

この記事では、

 ・35年ローンで返済が70代。ほんとうに返せるかな?
 ・住宅ローンを借り換えるとお得ってきくけど、本当にお得?タイミングは?
 ・ほかに住宅ローンをかるくする方法はある?
 ・どの金融機関に頼んだらいいの? 情報の集め方は?

わが家の話をしつつ、上のような疑問に答えていきますね。

■記事の内容

  1. 人生にとって住宅ローンとは何か?
  2. 借り換えのメリットとタイミング
  3. 繰り上げ返済とは 
  4. 金融機関の選び方

わが家の場合↓

バブル崩壊の数年後にマンション購入。共働きで70歳までの35年ローンを、25年で完済しました。共働きといってもふたりで大企業1人分並みの収入だったので、海外旅行やブランド品などの贅沢は無理でしたが、結果としては

  • 2度の借り換えで利息圧縮約1300万円、繰り上げ返済で約600万円の利息圧縮
  • 子ども2人私立高校&私立大学の教育費を何とか捻出して子育て終了。
  • 現在夫は60歳で退職&再雇用。私は50代でアーリーリタイア。

バブル崩壊後やリーマンショック時には収入減もあり、どうなることかと思いましたが、金利を味方につけ、タイミングよく対処していくことで、なんとかなりました。今の時代に新築を買って長期ローンを組むことを積極的におすすめはしませんが、それでも買いたい人、もうローンを組んでしまった人の参考になればと思います。

1,人生にとって住宅ローンとは?    

①住宅ローンの本質とメリット。老後まで含めて考える。

ひとことで言うと、住宅ローンとは??

  • 家賃の代わりにローン返済と金利を支払いながら
  • 賃貸より少しグレードの高い家に住み、
  • 老後家賃の先払いをし、
  • 老人ホームの入居金を不動産という形で貯蓄するもの

というのが自分の経験+周囲の人を見てきた実感です。

たとえばわが家の住宅ローンの総支払額を、住んだ年数25年+これから住む予想年数25年(女性の平均寿命近く)で割ると、

144万/年 12万円/月となります。

(逆算すると高い!ってなりますが、金利が含まれています)。

周囲の同程度のマンションの家賃と比べると、月の家賃で数万円は安く住めた(住める)ことになります。ただし管理費や修繕積立金、設備買い換え費用は自分持ちです。

分譲マンションなので、賃貸物件に比べれば床や壁も厚く、ドアノブや壁紙などの素材もしっかりしています。リフォームも好きにできて、賃貸より自由度が高い点が、持ち家のメリットですね。

逆に賃貸は、状況に応じて住み替えできるのが最大のメリットです。しかし老後を考えると、住み替え可能というメリットはデメリットにもなります。昔より高齢者の住宅はよくなり、サービス付き高齢者住宅や高齢者に部屋を貸す大家も増えてはいますが、心身の状態によっては家探しに苦労するかもしれません。限られた年金から毎月家賃を払うのも負担が大きいでしょう。

現時点での年金は、持ち家前提の支給額であることは周知の事実です。持ち家は1人になって年金が減額したとき、家賃不要な上、独居が無理になったら売却し、老人ホーム入居を可能にしてくれる不動産です。人生100年時代の心の安定、安心であると、50代の今、実感しています。

また、私自身が転勤家族だったので、「ふるさと」がありません。地域のイベントやお祭り、学校仲間やご近所づきあいがずっと続いている人を羨ましく思ってました。子どもたちにはそうした「根っこ」をつくってやりたくて、家を買ったところもあります。夫も私も給料はそこそこですが、転勤のない安定した職場だったことも大きいですけれど。 

➁住宅ローンを組むデメリット

自分が住む不動産は、たとえ現金一括で購入したとしても、好きに貸したり売ったりできないという時点で資産とは言えません。まして、何千万という住宅ローンはいくら金利が低くても借金です。何十年も積み重なる金利の総額は大きなものです。ローンを借りる人は,必ず支払い総額と金利の総額を出してもらいましょう(言わないと教えてくれないことが多いです)。どんなに割高かわかると思います。それを把握した上で、ローンで買うかの決断をすべきです。

30代でローンを組んだ私たちは、大きな借金をしているという精神的プレッシャーや、毎回の給与、賞与から多額のお金を天引きされるのはなかなか辛いものがありました。年間返済額はふたりの手取り収入の30%に抑えましたが、実際に引かれてみると、負担の大きさをひしひしと感じるものです。その上、元利均等という返済方法の特徴として、最初のうちは金利ばかり支払い、元本はちっとも減っていかないのです。不況の時期に収入が減額した時期など、とても不安でした。

それ故、一生懸命働いて、返済を早めたとも言えますが、教育費のピークの頃に私が体を壊して休職したときは、この先ローンと教育費を払っていけるか? という心配で、心は安まらないまま復帰せざるを得ませんでした。やはり、借りないですめばベストです。

私たちはわりと安定を好み、引越などはめんどうに思うタイプなのでよかったのでしょうが、もっと人生に挑戦、冒険をしたいなら、マイホームは買わない方がよいでしょう。常に安定して稼ぎ続け、そこに住み続けねばならないというのは人生の足かせにほかなりません。

ローンから自由になった今年(2020年)、なんと新型コロナウイルスの影響で、海外旅行ができません。こんなことなら、30、40代の活動的な時代に、もっとダイナミックな経験ができたらよかったのかな? 遅ればせながらそんなふうに思ったりもしています。

③住宅ローンは社会、経済、金融の学校。

家計や借金や住宅ローンのこと、それにまつわる金融や社会、経済のしくみって、学校でも会社でも教えてくれません

私なんて、「このままではマンションの価格(6,000万強)にプラスして、住宅ローンの金利を2,800万円!!も払うってこと??」と気づいたのは、ローンを組んで数年してからです。たしか日経ウーマンという雑誌に、繰り上げ返済のことが書いてあって、はじめて計算してみたのです。当時は金利が当初5年間3.9%(ゆとり返済制度)、6年目以降が4,3%という今では考えられない高金利の上、住宅ローン減税もはじまっていませんでした。

これは…情報弱者の若い夫婦を、不動産会社や住宅金融公庫(住宅金融支援機構の前身)、銀行がグルになってだましているようなものじゃないか!! と自分たちの無知を棚にあげて、怒りがわいてきました。もっと言えば、国家も経済を回すために、住宅の高騰や高い金利のローンを放置しているのだということも見えてきました。当時イギリス国籍の男性と結婚して海を渡った先輩は、住宅は英国政府から支給されると言っていましたから、日本の住宅政策の貧しさにも腹がたったものです。

現在は低金利時代であり、住宅ローン減税もあって、かなり状況はよくなっていますが、ある程度資産価値のある都会のマンションの高騰は激しく、家族が安心して暮らすために必要な住宅の確保に、大きなお金がかかることは基本的に変わっていません

そうした状況の中で、どんな家を選び、住宅ローンをいかに効率よく返済するかを真剣に考えていくと、机の上では学べない、究極のファイナンシャルリテラシーが身につくことは確かです。ぼーっとしてたらだめで、常に勉強。情報収集が必要です。ネットや書籍、雑誌には、よく探せば有益な情報がきちんと載っています。先にローンを組んだ先輩や同僚がどうするか?というのも、似たような境遇ですから非常に参考になりました。

みんながローンを組んで家を買っているからそうするもの…という思考停止はNGです。みんながだまされているかもしれないのです。売る側や貸す側、経済を回したい政府…。そういう目線でものを考えるためにも、住宅ローンは最高の教材です。 

ただし、正解はあなたの中にしかありません。うちの場合は万一のときに売れる(リセール可能)ということだけは意識して、都心に近くて駅から徒歩圏で、大手デベロッパーのマンションの一室を買いました。知り合いに「分不相応」と言われましたが、25年経った今、ある程度の資産価値を保っているので、この点では正解でした。そして、繰り上げ返済、借り換えによって払う金利と期間を圧縮しました。

失敗した!と思っても、探せばなんとかリカバリーする方法があります。くれぐれも流されずに住宅ローン(借金)と向き合い、行動することが大切です。いつの時代でも、どんなシステムであっても、なんらかの打開策があるはずです。

2,住宅ローンの借り換えとは? いつしたらいいの?

住宅ローンの借り換えとは、新たな金融機関から住宅ローンを借りて、その資金で、現在借りている金融機関の住宅ローンを返してしまうことです。り換えには手数料やがかかりますが、それを上回るメリット=返済総額の軽減があれば、借り換えに踏み切った方がよいといえます。住宅ローン減税も、返済期間が10年以上残っていれば認められます。

一般に金利差が1%以上あるなら、借り換えた方が得と言われます。判断基準は以下の4つになります。

借り換メリットが出やすいのはーーー

  1. 借り換えにかかる費用が安い
  2. 借り換え時のローン残高多い
  3. 完済期間が長い 
  4. 金利の下がり幅が大きい

ポイント

わが家の3回の繰り上げ返済と、2回の借り換えの効果は以下です。社会情勢によって金利が下がったら、借り換えを実行することで、大きな効果があります。

  • 4年目 繰り上げ返済200万円 総返済額400万円減(住宅金融公庫)
  • 12年目 4,3%→2.6%の10年固定金利の住宅ローン(10年目から3,6%)に借り換え 総返済額1100万円減
  • 15年目 繰り上げ返済200万円 総支払額150万円減 
  • 22年目 金利3,6%予定→1,8%の固定金利に借り換え(同じ信用金庫からの提案) 総支払額250万円減。
  • 25年目 夫、定年により、残債を返済。総支払額16万円減。

上記コラムのように。借り換えは長期的に見てメリットが大きく、老後の余裕資金を大きく増やすことができます。繰り上げ返済も同様ですが、一時期に貯金を取り崩して返済を前倒しにする(資産減)ので、教育費のピークを迎える前にしておかないと、精神的余裕がなくなります。

わが家は上の子が中高大私立、下の子は高校私立で一浪で私立大学だったので、それぞれ教育費は大きいものでした。ふたりが大学生だった3年間は、フルタイムの共働きでも、貯蓄からの持ち出しになりました。大学院進学、留学などを希望していたら、もっと余裕がなかったでしょう。

繰り上げ返済をする場合は、必ず1年ごとの教育費のシミュレーション、それも最大と最低を見積もった上で決めることをおすすめします。

3,借り換える金融機関の選び方は


借り換える金融機関をどこにするか? は、ネットで情報収集ができる今の時代も、さまざまな変数があってなかなか難しいものです。

借り換え先の金融機関を選ぶとき考慮すること 

  1. 金利が安い 一番はこれですね。現在のローンより、少しでも安いことが前提条件です。
  2. 諸費用が安い 一見A社より高いB社は、手数料が安いのでトータルお得ということもあります。
  3. 使い勝手がよい めんどうな手続きが少ない、少額でも繰り上げ返済できるなど。
  4. 柔軟性がある 市場金利が下がったときに金利を下げてくれるなど、相談にのってくれる。       
  5. 数字を出してくれる 総支払額や借り換えメリットなど、すぐに計算して教えてくれるところ。

住宅ローンを借りる金融機関は、都市銀行、信用金庫、ネットバンク、その他勤め先の信用組合がお得なローンを設定していることがあるので、広く調べてみましょう。規模やネームバリューに頼りすぎないことも大事です。

ポイント

お金を借りて家を買うとき、究極にお得になるのは、親や親戚に借りてしまうこと。

充分な資産があるならば、他の金融機関に金利を払うより、親から借りて利息つきで返せば、最終的に家族の資産が増えることになります。

トラブルを避けるために、必ず兄弟や親族の同意を得て、借用書をつくります。

贈与とみなされて税金を払うことにならないように、最低限の金利をのせて、銀行口座を通じて定期的な返済をしている証拠をつくります。金利の額や返済方法は、税理士などの専門家に相談するとより安心です。 

信頼できて条件のいい金融機関は、どうやって探せばいいの?

自分でネット検索して決めるのは不安だなぁ、もっと簡単にさがせないかな?

専門家が借り換えをサポートしてくれるサービスもありますよ!

ネットの進化で、あらゆるマッチングサービスができていますが、借り換え効果をネットで診断した上で、複数の銀行を紹介したり、手続きをサポートしてくれるサイトもありますね!

診断は無料で、ネットから簡単に申し込めるので、とりあえず診断だけでも受けてみてはどうでしょうか?それにしても、専門家が比較検討までしてくれるなんて、便利な世の中になりましたね。

住宅ローンの借り換えをサポートするサイトの例↓

「住宅ローン借り換えセンター」

住宅ローンの借り換えはモゲチェック

まとめ

  • マイホームは老後の固定費を減らし、老人ホーム入居を可能にする資産。持つに越したことはありませんが、現金一括購入がベストです。
  • 70代まで住宅ローンの返済を続けるのはおすすめしません。返済当初の設定が70代でも、繰り上げ返済や借り換えで、総支払額と返済期間を圧縮して、定年退職までには返済を。
  • 借り換えのタイミングは金利の差が1%以上になったときが目安。
  • 借り換える金融機関は銀行以外にもある。迷った場合は紹介サイトを使ってみましょう。
  • 住宅ローンは人生の学校。きちんと向き合って、少しでも有利に返済し、人生の自由を勝ち取りましょう。

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