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ゆるひきこもりの2年半
30余年働いた会社を辞め、半径500メートルひきこもり生活を始めてから2年半近くが経ちました。
ひきこもりと言っても、
「家から出られず、社会生活がムリ」な真性ひきこもり
ではなく、
「もうリアルな人づきあいとか、都会や通勤とかにくたびれちゃったから、大好きなお家とそのまわりで、まったり生活してみようっ~」
っていうゆる~い、「なんちゃってひきこもり」です。
コロナ禍のひきこもりは正義
仕事をやめる頃は、ちょうど新型コロナの第一波で、スーパーは閉じるは、駅や街から人が消えるはで、東京が「世界の終わり」みたいになっていた時期。
小池都知事から、毎日「ステイ・ホーム!!」と号令をかけられ、「はいはい、お家にいますよ~。お家大好きだからオッケーですよ~👍」って感じで、在宅ワーク→退職→隠遁と、ライフスタイルが変わっても、意外と目立たなかったんですよね~。
時間リッチな生活
会社をやめると仕事のメールと会話が激減します。
そしてたくさんの時間と心の余裕が戻ってきます。
フルタイムだと分刻みだった朝のバタバタがなくなります。
ベランダでちょっとした花やハーブを摘んで、飾ったりお茶にするだけでもぜいたくな時間だなぁと思います。
天気のいい平日に外に洗濯物が干せる!っていうだけで、太陽の偉大さに感謝できます。
人間らしい生活ってこういうことだったんですねぇ。
*参考 50代セミリタイア 仕事と共になくして残念なもの/よかったもの ランキング
いちばん求めていたのは「考える時間」
会社をやめたら「考える時間」が戻ってきます。
オフィスは関わる人が多すぎて、気が散ります。
本当の興味関心と、仕事の内容が完全に一致することは稀です。
義務の読書や企画・管理などから開放されて、独りになると、
- 「人類はどうやってここまで進歩したか?」
- 「お金とは? 時間とは? 生きるとは? 死とは?」
- 「これからどんなテクノロジーや思想が現れて、世界はどう変わっていくか?」
といった本質的なことを考えることができます。
読書ノートとモーニングページ
マイブームなテーマについて、本を読んだりノートやブログにまとめたりすると、フロー状態(没頭)に入れて時間を忘れます。これが至福。
そして、毎日の思考を助けてくれるモーニングページ。
デスクに向かって、心に浮かぶことをひたすらノートに手書き。
雑念が脳から出ていきます。
本当にしたいこと、なりたい自分を思い出せます。
*参考
【朝活】モーニングページって何?本当のやり方と効果。知恵の泉にアクセスすると人生が変わる話。
他人からみると、
「あんなにバリバリ働いてきたのに、突然どうしたの?」
「ひきこもって孤独な生活…大丈夫?」
とか思われてるかもですが、すごくしっくりくる、楽しい毎日なんですよね。
これが「林住期」っていうものらしい
古代インドの思想に「四住期」(しじゅうき)というものがあります。
人生をおおまかに4つのステージに分けて考えます。
- 学生期(がくしょうき):8歳~25歳頃/先達の元で心身を鍛え、学び、独り立ちを目指す
- 家住期(かじゅうき):25歳~50歳頃/家庭をつくり、働き、子どもを育てあげる
- 林住期(りんじゅうき):50歳~75歳頃/世俗から距離を置き、迷いを捨てて自分らしく、人間らしく生きる
- 遊行期(ゆぎょうき):75歳~/人生の最後への準備をしつつ、この世への囚われをなくし、遊ぶように生きる
子育て終了後、とつぜんの直感で退職を決意したけど、それは遅い反抗期(笑)じゃなくて、「林住期」の入り口だったんですね~。
インドの知恵、すごい!!
安心して世俗(?)から距離を置き、
極力、
- 仕事しない
- 移動しない
- 交流しない
の3ない戦略で、ぜいたくな「孤独の時間」を味わっていたいと思います🙂
コロナ明け、街が動き出した
一方で🎉陽キャな友だちは、コロナ禍で人に接するバイトをお休みした上、旅行や友達と会うことができなくて、とってもストレスフルだったそうです。
今夏からようやく、海外旅行や友人とのランチを再開して、イキイキしています。
2022年の後半ともなると、朝早めの電車は人がいっぱい!感染の波はあるものの「痛勤生活」、復活しちゃってますよね~。
夜のオフィスの明かりが増え、飲み屋街もにぎやか。観光地に外国人も戻り始めてる。
「そういえば、3年前ってこうだったよね…やっぱり街に血が通っているといいね!」
とかいう気分も芽生えてきた自分に気づきます。
セミリタイアひきこもりのメリット
「家住期」のフルタイム子育て期に比べて、平和な今。
ひきこもりのメリットは
- 1,興味関心のあることに邁進できる
- 時間リッチなので、やりたかったことに集中できます。
- 2,お金が減らない
- 「移動しない、人に会わない」と交通費、衣服・美容系、外食費など、大幅にコストダウンします。
- 3,ノンストレス
- たいていのストレスは人間関係。人間と関係しなければ、ストレスは少ない。
- 会社の仕事をしなければ、謎ルールを守る必要もない。
セミリタイアひきこもりのデメリット
嫌なこととか嫌いなことを削っていくと、世界は狭まりがち。
ひきこもりのデメリットは、
- 1,関心の幅が狭まる
- 今夢中なことに過集中してしまうので、世間の流行りや大事件を知らないことも。ヤバいっ?!
- 2,服や身の回りの品が更新されない
- お気に入りの服を着続け、生活雑貨も買わないから、センスと時間が止まった人になりつつあるのでは? ちょっと不安になってきた(笑)。
- 3,平和ボケ
- ノンストレス過ぎて、平和ボケします。
- 多くの人が世間の常識や会社の理不尽に疲弊したり、格差と戦ったりしながら生きていることを忘れはしないが、実感から遠ざかってしまった感も…。
ひきこもり➡フレイルや認知症はコワイ
林住期は75歳までと言われ、まだ結構な年数があります。ずっとひきこもっていると、老齢期になって政府や自治体や高齢医学の専門家から怒られます。
老齢期に「行くところがない、人と話さない」生活に陥ると、
運動不足 ➡ 体力・気力の衰え ➡ 脳の衰え
「フレイル(虚弱)や認知症への道まっしぐらですよ!!」と。
*参考 フレイル期の社会参加と健康長寿
林住期とはいえ、コロナ禍も下火になった今、毎日林の中にこもっていないで、たまに街に出たり、友人に会ったりした方がいいのかな…。
初代ひきこもり、『森の生活』の著者ソローも、定期的に街に出て友人とバーで飲んだりしていたし。
【実験】もう少し、林から外に出るか?!
というわけで、数年ぶりに企画されたクラス会に「出席」の返事を出しました。
趣味仲間とのランチとか飲み会も「絶対来ない人」認定を解除し、少人数の会合に参加することにしました。
- 「本当にやりたいことに集中したい」
- 「独りで考える時間が至福」
という理由で、時間リッチなのに「人に会う時間」を削っていた2年半。
リアルに人に会って、
- 「それほど関心がない話もする時間」
- 「人に気を使う時間」
つまり「ムダに見える時間」が増えるとどうなるんだろうか?
- 人生の中でも極端に人を遮断した数年の意味
- リアルに人に会うことの意味
そんなものを観察していくのも楽しみだなぁと思います。
やっぱりまた、林に戻ってひきこもるか?
交流の意義や効果に目覚めて、ひきこもりを解除するか?
さあ、どうなるでしょ~!
続きはまた~!
*続編はこちら⇩