目次
茂木健一郎さんの15万部突破本『結果を出せる人になる!「すぐやる脳のつくり方」』を読んで考える。
こんにちは。50代でアーリーリタイアした桜畑です。
今日することを自分で決める生活がはじまって2か月。退職した人って何やってるのー?ってみんな疑問ですよね。
残務整理。保険や年金の切り替え。ハローワーク関係。家の片付け。不要品をフリマアプリで売る。実家の片付け。読書やブログ。運動。家事etc.
主婦業つきの退職者は、結構やることあるんですよ。なので、自由な時間があっても思ったよりタスクがすすまない。今さらだけど、もっとバリバリできる人になれないものか。
毎日TODOリストはつくっているけど、リストの半分も消化できないなー?
昔から取りかかりが遅いよね。脳科学者の茂木先生にきいてみよう!
というわけで、『結果を出せる人になる!「すぐやる脳のつくり方」』を読んで『すぐやる脳』について研究してみました。
深く考えないことを、習慣化する
まず冒頭からガツンとやられたのが、あまり深く考えないことを習慣化しようという一文。
日本人はまじめなので、ビジネスルールや集団のルールをきっちり守りがち。それらが脳の抑制になっていて、すぐやることができないという指摘です。
うーーん。
こんなブログを書いたり、読んだりする人は、たいてい子どもの頃から本が好きで、深く考えるのが得意。そして努力することも苦にならないタイプ。
残念ながら筆者は、「努力する回路は脳のエネルギーを消耗させてしまうので、タスクをこなすことのじゃまをする」といいます。へぇーっ。脳のエネルギー。確かにムダにつかってる気がします。
ではどうするか?
茂木先生の答えは、以下の2点。
1,タスクを特別なものと思わない。頑張ろうって思わないこと。
2,歯磨きのように習慣化すること。
たとえば筆者はジョギングを習慣化。「頑張るぞっ」って思わずに、散歩でも行こうかなーというかるいノリでやった方が、長続きするといいます。
私にとってハードルが高いと言えば、役所や銀行の書類提出や、ブログを書くことかな。このブログはまだ操作に習熟していないし、一応全世界に向けて公開するんだ、がんばろうって思っったりしますが、そういう気合いはいらないんですね。実際はだれも大して読んでない(笑)。練習だと思って書こうと思えば、割と気が楽。
作家の村上春樹さんも、たとえ1行も書けない日があっても、机の前に座って原稿にむかうといいます。なので、できるだけ朝イチにパソコンを開いて投稿画面を開く。前日にはテーマを決めてタイトルだけ入れておくと、すぐに脳が働きますね。ハードル、下がりまくってきました!!
習慣の力でいきなりトップスピードに。心のゴミは速攻対処。
茂木先生は続けます。
アスリートは習慣の力で、いきなりトップスピードに入る。
4日目にできなくても5日目にできればよしとするベストエフォート(最善努力)の考え方で、自分への罪悪感や、ダメだ、という心のゴミをできる限り、短時間で処理する。
いやいや、わたし、アスリートじゃないから…って思いたくなります。
でも、誰だって食事したあと洗面所にいけば、「いきなりトップスピードで」歯磨き(笑)できますよね。
わたしもあなたも、習慣の力をかりれば、何事か成し遂げられる。今日だめなら明日でもよし。自信を持ちましょう!!
*ここで深掘り
習慣もそうですが、脳に負担をかけずに作業するには「脳の自動化」が超有効なんだそうです。宇宙飛行士は地上訓練で何度も同じ動作、行動を繰り返して体にたたき込んでから、宇宙空間に出るので、パニックになっても体が覚えていて、危険を回避できます。何度も同じ所作をすることで脳は自動化すると、茂木先生は言います。その動作の神経経路が太く、通りやすくなるイメージですね。
すると、脳の負担が激減→動作が楽に。自転車や楽器の練習を思い浮かべれば、なるほど、できるかも…って気がしませんか? この太くて通りやすい道路をつくってしまうまで、ちょっとがんばりましょう。
タスク同士が衝突してしまったときの考え方
習慣化はわかったけど、やることが1度に押し寄せてきて何から手をつけていいかわからない時はどうすればいいのかなぁ?
「タスクの奪い合い」状態ね! これには「柔らかいToDoリスト」が有効なんだって!
『結果を出せる人になる!「すぐやる脳のつくり方」』の最後の方に、ちょっと難しいけど重要なことが書いてあります。
題して「柔らかいToDoリスト」。
「そこそこ重要で速くやるべき仕事と、最も重要だけれど急がない仕事、どっちをどうやればいいのでしょうか」
このような相談をよく受けることがあります。
一般的な回答としては、優先順位をきっちり決めて「ToDoリスト」で粛々とこなしていけばよいということになるでしょう。
けれども私がいつも意識していることはちょっと違って、いつも脳の中に「柔らかいToDoリスト」を持っておこうということになります。
脳の中に随時変更可能なToDoリストを作って、臨機応変にやるべきことをやるように心がけているのです。
必要なのは状況を読みながら、瞬時に「一番重要なこと」に目を向ける判断力です。
P153「脳内に柔らかいToDoリストリストをつくれ!」(ページは新刊本の方。以下同)
なるほどー。脳内カードにかかれたタスクをしゃっ、しゃっと入れ替えていく感じですね。
そして同時に「おそらくリストのすべてをやることはできないと意識していることも大切」なんだそうです。
ですよねー。ぜんぶはできない。よかったー。
そして難しそうだけど、漁師さんのように潮の流れを読んで段取りをしていく、慣れの問題でだれでもできるようになるはずとおっしゃいます。「時々刻々と変化する軟体動物のようなリスト」をつくること。
ふーん。アメーバみたいな?
タスクの高速切り替えは、あなたでもできる。キーワードは「無意識を意識」
みなさんはスマホを手にしながら、それこそ「秒単位」で様々なアプリを使い分け、メール、ツイッター、フェイスブックをして、電子書籍を読んで、ニュースもチェックしていることでしょう。
それを考えれば、脳の中のToDoリストも秒単位で行使することができるはずです。
自分の脳内で、タスクのせめぎ合いを始めてみてください。ちょうど、タスク同士が脳内で力の奪い合いをしているイメージです。
「時間」という大切な資源の管理人は自分。その意識を持っておくことが大切です。
P156 「秒単位」で脳のToDoリストを意識する
脳の中にスマホを入れてしまった感じ。近未来です。
スマホいじっているうちに本来の目的を忘れて迷子になることがよくありますが、時間資源の管理人として、そこは意識しておかなくてはですね。タスクのせめぎ合いを統制できるようになると、未来にいろいろな可能性が広がってくるんだそうです。
さらに、この柔らかいToDoリストをつくるコツを伝授してくださっているのがこちら
脳の仕組みから考えると、意識とは多重構造であると言うことができます。
今まさにあなたは、目の前でやっている作業と並行して、意識の奧で別のことに注目しています。これがいわゆる無意識の部分というものです。
今やっていることに百パーセント集中しながらも、同時に、やっていないほかの案件も無意識の中で見えている。そしてタイミングに合わせて、無意識下にあったほかの案件もすぐに引き出しから取り出せる。
これが脳の使い方として理想の状態だということです。
P159 意識と無意識の舞台裏
「朝まで生テレビ」など討論司会者として人気だった田原総一朗さんは、スピーディにテーマを切り替えるのがうまいと、筆者は評します。討論しつつ、脳の中に切り替え可能なテーマが湧き上がっていて、順次に切り替えていく…。こうした能力は田原さんや茂木先生みたいな、天才的な人の特殊能力…って思ってました。思いますよね?
でも、これを自分との対話または「自分のことをもう1人の自分がよくて見ている」という感覚になると、できるようになる。これを「メタ認知」というそうです。
ロバがおいしそうな稾山(わらやま)を二つみつけて、どちらを食べるか迷っているうちに飢え死にしてしまう。これをロバの習性と笑ってしまうことはできず、どちらが大事か判断できない人は多いそう。
自分を客観的に観察しながら、瞬時に判断する練習を重ねると、バランス感覚が養われ、「あれもやんなきゃ」「いや、これもやんなきゃ」を同時並行で意識しつつ切り替えることができる脳になれるんだそうです。
別人格をつくって、話しかけてみた。なかなかいいかも
これを読んでから、自分のアタマの中をも、うひとりの人格が覗いて
「まあ、焦らないで、それが終わったらこっちをやれば大丈夫、できるよ。これは今日はやらなくてもよさそうだしね」って話しかけるようにしたら、あら不思議、あれとこれ、どっちも優先事項だけどどーすればいいのーっ?!っていうように悩む時間が激減しました。
茂木先生みたいに、紙に書かずにというのはとてもできませんが、ToDoリストを見ながら入れ替える。何かしながら、次にすべきことも無意識下においておきつつ、気持ちは焦らないようにできるもんですねえ。
こうした自分との対話の練習は、ストレスのない人生を送るという意味においてもとても有効的です。
脳科学の見地から言えば、自分との対話を怠って「無意識の自分」を無視してしまうことにより、ストレスはたまっていくものだからです。
P163 私たちはロバを笑えない
禅の悟りみたいで、なかなか奧が深いですね。
ほかにも大事なことがいっぱい書いてあります。
ToDoリストをこなす、という一見単純な作業も、「無意識の自分」を信じることが根底に必要なのだと気づきました。
この本には、そのほかにも大事なことがいっぱい書いてあります。
- 自分を自由にコントロールしている感覚がないと、本当のやる気は生まれない
- 成果物を仕上げるには、毎日のように締め切りがある生活が望ましい
- 小さなゴールを達成したら、卑下せずにちゃんと喜ぶ
- 不安や焦り、緊張などで感情が揺れず、勝手な意味づけや思い込みにとらわれていないフロー状態(時間を忘れる親しい人とのおしゃべりのような)をつくれると、よい仕事ができる
- 他人を見ない。ライバルはよいところを学ぶ対象と考える
- 幸せな煉瓦職人は「仕事だから」、とか「給料がいいから」やっていると考える人ではなく「私は多くの人が祈りを捧げる教会をつくっている」と考える人
脳科学をベースにしたエッセイのような、かるい語り口調で書かれていて読みやすいです。文庫にもなっているので、『結果を出せる人になる!「すぐやる脳のつくり方」』ぜひ、手にとってみてくださいね。
おまけ メイクがきらい。だれかハードル下げる方法教えて!
さて、余談ですが、何十年も毎日やっていたのに、未だに好きになれないこと。特別なことと感じてしまうことがひとつあります。
メイクです。
肌に何かつけるのが面倒で仕方がないし、手順も複雑。
新型コロナ時代となり、マスクから上の薄化粧で済むようになって、塗るものが激減してほんとうに嬉しい。
それにしても、「わー、メイクの時間だ、楽しみーって」思える方法があったら、私の朝の幸福感が超アップするはず。
誰かメイクのハードルを下げる方法があったら教えてくださーい!!
それではまた。