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『仕事と家庭は両立できない?』【まとめ&感想】「ゆるく、長く」が正解の未来

転職活動はじめたけど、キャリアカウンセラーには派遣で働くことも視野にって言われてるんだよね
結婚を予定しているなら、それもありかな。これからはフルで働いて疲れ果てて60代でゴールじゃなくて、「ゆるく長く」が正解になってくるよ

こんにちは。桜畑です。予防接種の普及でようやく収束が見えてきたコロナ禍。これから徐々に結婚&結婚式ラッシュが来そう…今後の働き方悩む女性が増えそうですね。

『仕事と家庭は両立できない? 「女性が輝く社会」のウソとホント』は、米国の政治学の教授が、ヒラリー・クリントンさんの要請で政府の要職についたものの、家庭との板挟みに悩み、キャリアチェンジした経験から書かれた、これからの女性の働き方を考える本です。

アメリカの超キャリアウーマンでも、そうやって悩むのかぁ!
女性と仕事、家庭、子育ての問題は、万国共通なんだよね

この記事では、上記の本を紹介しつつ、以下について考えていきます。

こんな疑問に答えます

著書が家庭を選んだわけは?
何が両立をはばんでいる?
これから女性がめざすべき働き方とは?

1,自分が家庭を選ぶなんて!? 著者があきらめたわけ

子どもたちのために政府の仕事を捨てたの?
本人は家庭での役割と仕事をフィットさせただけっていう意識だけどね

①著者はこんな人

『仕事と家庭は両立できない?』の著者、アン=マリー・スローター氏は、プリンストン大学の国際政治学の教授。2009年、オバマ政権時代にヒラリー・クリントン国務長官からの電話で、突然、国務省の政策企画本部の女性本部長に抜擢されます。

要請を受けて2週間でワシントンD.Cに赴任。月曜朝5時に家を出て、狭いワンルームに寝泊まりし、金曜の夜に帰宅する生活が始まりました。

②その時子どもたちは?

2人の息子は10歳と12歳。下の息子さんは日曜の夜になると泣いて、翌朝には「ママ、行っちゃいやだ。アメリカがどうなっても知るもんか!」と叫んだとか(泣)。

一方の長男は母親の状況を理解しようとがんばり、著者が弱音を吐くと「辞めちゃだめだよ!ママはみんなのお手本なんだから」と言ってくれたそうです。

甘えっ子で自分に正直な次男くん、しっかりものの長男くん…。よくある兄弟の光景ですよね。

③長男の問題行動

その長男が中学生になると、親の話を無視し、宿題をさぼり、授業を妨害し、単位を落とし…問題行動を起こして停学に…。

環境のいいプリンストンから、友達関係を断ってワシントンに転居することは得策ではない。経済的にも、政府の仕事で収入は半減した上、交通費とワンルームの家賃がかかっています。

考えたあげく、著者は家に戻ることを選びました。

2,思いがけない意識の変化とマスコミの塩反応

いい子だった長男くんの変貌……。思春期で自我が出てきたんだね
おかげで著者は、すごく大事なことに気づかされるのよ~

①母親にもどって

「自分が家庭を選ぶような人間だと思っていなかった」著者は、クリントン国務長官にあたたかく送られ、家庭と大学に戻ります。

家に戻って、まずは毎朝、マフィン、スコーン、パンケーキ…と豪華な朝食づくりを楽しみ、食べている息子たちを見ながら純粋な嬉しさを感じます。これを著者は、「母になって初めて知った、なにか根源的な欲求。これ以上ないほど幸せ」と表現しています。

家族と会えない数年間を過ごしたからこその気づきですね。

②「ドロップアウト」と決めつけるマスコミ

けれども「政府の要職を途中で諦めた人」とみるメディアからは、「”やり抜く力”のない人間、家庭と仕事を両立できない女性」として描かれ、ショックを受けるのです。

本人からすれば、「忙してくて柔軟性のない仕事から、忙しくて柔軟性のある仕事に変えただけ」「自分で予定を組める環境に移っただけ」

なのにドロップアウトと呼ばれることに疑問を呈し、「偏った価値観」「差別的」と反論していきます。

私がワシントンの過酷な生活から回復し、家族も元に戻るにつれて、なにか根本的な変化が起きていた。私は教授として、また外交政策の専門家として教え、書き、話す生活に戻った。フルタイム以上に忙しかったものの、自分に合わせてスケジュールを組むことができた。そのときやっと、自由にスケジュールを組めるということが、子育てと仕事を両立させるにどれほど欠かせない要因だったかに思い当たったのだ。

3,すべてを手に入れたら幸せなのか?

夫、子供、家、仕事…。全部手に入れるだけでもたいへんなのに…
運よく手に入れた女性は、幸せなのか? そこが考えどころだよね

①ひっくり返った成功神話

著者はこの経験をする前は、ずっと「女性だってすべてを手に入れられる」「ただ必死に仕事に打ち込めばいい」と学生に伝えてきました。

そう信じて仕事に打ち込んできた自分が、重要なキャリアを変更して家族のそばにいることを選び、しかも「その選択に満足しているなんて」と本人も驚き、考え、気づきます。

「結婚、キャリア、妊娠…どれも自分がコントロールできるわけではない

「なんとかうまくいったとしても、30代後半から40代前半に出産すると、50代の半ばに子どもたちは思春期を迎え、幼い頃よりも親の存在が必要になる」と。

②「すべてを手に入れる」が無理ゲーなわけ

結局「必死に仕事に打ち込んでいれば、すべてを手に入れられる」というのは、以下のような奇跡的な条件が整えば…であることを筆者は認めざるを得なかったのです。

  • 思いがけないことが起きて、完璧に計画したはずの仕事と家庭のバランスが崩れなければ
  • 協力的な相手と結婚でき、相手が妻のために自分のキャリアを喜んで犠牲にし、離婚もしなければ
  • 計画通りに子供ができれば
  • 自分自身が、子供が生まれたあともそれほど一緒にいたいと思わなければ
  • 勤務先ににパートタイムやフレックス制度があり、それを使っても昇進の道が閉ざされなければ
  • しばらく仕事から離れても、年齢に関わらずトップに登れるような道が見つかれば
  • 年老いた両親の面倒を見る必要がなければ

女性の社会進出先進国のアメリカでも、私達とまったく同じ壁に突き当たる…。そして、運よくすべてを手に入れたとして、それで本当に自分も家族も幸福なのか? 著者の経験を考えると、疑問を覚えますよね。

*参考(幸せ度チェックあり) 50代セミリタイアは不幸の始まり?ひきこもって考える『幸せのメカニズム』

3,両立できる社会へ

就職してある程度キャリアを築いたら、結婚して3歳あけてふたり産んで…う~~ん、不確実要素多すぎ~!
大企業で一直線に昇進を目指すのは難しいけど、もっとゆるいシナリオもあるよね

①個人ができること

家族と仕事、両方を大事にするためには、時に働き方のペースをゆるめたり、休んだり、回り道も有効。そんな場合に「個人ができる行動」として、著者は以下をすすめています。

  • 前に進む意欲を失わず、現実に対処する
  • 時が来たら上に昇りたいとはっきりと表明する
  • 一直線の出世街道だけを重視するルールや社会構造に対抗する
  • 家族との時間を優先する社員を脇に押しやるような文化を否定する
  • 人生の回り道をするこになった人の存在を知る

②育児休業取得1号の私の経験

桜畑は勤務先で初の育児休業取得者でした。復職後、ある不利益があったのですが、のちにそれが育児休業法に反することを知り、上司から上の人に伝えてもらったことがあります。

ふたりめのときには、ちゃんとそれが修正され、言ったかいがあったなぁと思いました。そして、それ以上に嬉しいのは、あとに続く後輩たちが、交渉せずにその恩恵を受けられたことですね。

交渉が許されているアメリカの組織や会社と違って、「和をもって貴しとなす」日本では難しいことです。でも「後輩のために」「これからこういう社会・会社にしていきたい」だから「こうしてほしい」という意見は言いやすい

「小うるさい人」と認定されるのを恐れずに、おかしいと思うことには声にだしてみると、よい変化を起こすきっかけになることは多いですね。

4,人を生み出す「ケア」の仕事の価値を高める

社会の人材をつくってる家庭が、たいへんな労力やお金をつぎ込むことになるのが辛いよね
「人を育てる」とか「お世話をする」ケアの仕事が低く見られているのが、両立をはばむ根本原因だと著者は考えてるよ

①働きづらさの根本原因

何10年経っても「仕事と家庭の両立」が難しいのには、根本的原因があると言います。

お金を生み出す競争と、他者を世話(ケア)する仕事は同じように大切で、人間に欠かせないもの。それなのに「家族の世話よりも金を稼ぐ方が価値が高いのがおかしい」と、著者は主張します。なぜなら、

競争はおカネを生み出す。育児は人を生み出す のだから…と。

②ケアの仕事が低く見られる2つの理由

教師、、コーチ、セラピスト、看護師、ベビーシッター、家庭医、老年学者、介護の専門家…自分が勝つより誰かの成功を助ける仕事の価値が上がらないのはなぜか?

理由のひとつは「伝統的にケアの仕事を主に女性が担ってきた。そして女性の待遇、賃金が、男性よりも低い」ため。

もうひとつの理由は、「競争にかかわる仕事の方が、ケアの仕事より結果が目にみえやすいから」と分析します。

確かにモノを売ってお金が入る仕事の方が、労働の対価を計りやすい。一方で人のケアをしてどんなに感謝をされたとしても、数値に置きかえるのは難しいですからね。

③ケアの仕事をひきあげるために

「ケアを、人間の必須の活動としての、正しい場所に引き上げよう」という筆者。

そのためにはまず、「話し方を変える」ことをいくつも提案しています。

例えば…

  • ●先週何時間働いたかを自慢する人がいたら、またはパーティで仕事のことしか話さない人がいたら、最近どんな面白い本を読んだか、またはいい映画を見たかを聞こう。忙し自慢に乗るのはやめよう。仕事以外で人々が大切にしているものを探そう
  • ●誰かに会ったとき、すぐに「お仕事は?」と聞くのはやめよう。何に興味があるか、趣味はなにか、人生で何に情熱を持っているかを聞こう。どう生計を立てているか以上のことにあなたが価値を見ていることを、話し方で伝えよう。
  • ●家族の世話のためにあなたが会社に遅く来たり、早く帰ったり、自宅から働く場合、仕事と同じくらい大切なことをしているのだとはっきりと公言しよう。

家庭や趣味の話を歓迎しない雰囲気の職場。これからは「やばい勤務先」になるかもしれませんね。

5,まとめ「ポートフォリオ型人生」を楽しもう

ポートフォリオ型? 作品をたくさんつくって売るの?
いやいや、バラエティのある仕事を自由に重ねて、1つの人生にデザインしようっていうことだよ

①バランスではなく、フィット

仕事と生活の「バランス」ということばでさえも、現実に即していないと感じはじめた筆者はこんなことを書いています。

「仕事と愛する人との中間で奇跡的に均衡がとれる人生など存在しない。私達のほとんどはバランスが取れていない。ただ人生に追いつこうと走っているだけだ」

「一番いいのは「仕事と生活のちょうどいい落としどころ(フィット)」を探し出すという考え方だ」

「仕事と家族の世話にどのくらいの時間を割り振る必要があるかは日によって違う。それをちょうどく割り振るには、変わり続ける状況に合わせられる柔軟性が必要だ」

②ポートフォリオ型の働き方

柔軟性のある働き方を実現するのにむいている方法。それは一つの仕事を選んで階段を昇り続けるのではなく、複数の仕事を選んでいく「ポートフォリオ型キャリア」だと言います。

「ポートフォリオ」は「紙の束」の意味ですから、様々な仕事をひとつの人生に束ねていくイメージですね。

ポートフォリオ型キャリア

いくつかのパートタイムの仕事を足し合わせて全体をフルタイムにする

または、複数のフルタイムの仕事を順番にこなす

それぞれの仕事に挑戦しながら、自分の違った側面を表現していく

これは長くなった人生で、飽きずに自分のいろんな興味や才能を開花させるのにいいやり方ですよね。

昔は次々仕事を変える人は「人格的に問題のある人?」「耐性のない人」などのレッテルを貼られがちでしたが、今は日本でも転職は当たり前だし、フルタイム+副業や、個人事業主として複数の事業をこなす「複業」をする人も多い。いずれはこうした働き方が多数派になっていくんではないでしょうか?

③ゆるく、長く、人間的に働く

著者は「50代の半ばで頂点にたち、65歳で引退するような計画を立てるのは、7皿のディナーコースを最初の3皿か4皿で終えてしまうようなものだ」と、伝統的な働き方に警鐘を鳴らします。

それは、仕事に没頭できるシングルや子供のない夫婦であっても同じで、全人的な、豊かな人生を送るために、キャリアを柔軟に考えてほしいとアドバイスをおくります。

人生にはさまざまに異なる時期がある。ーー子供が欲しいなら、人生の大切な時期には、勤務時間が柔軟で、自分の自由になる環境が必要になるだろう。また親が年をとったときに大切な存在になりたい場合にも同じことが言える。ひとり親なら、さまざまな時点でさらに柔軟で自由のきく仕事が必要になるだろう。

子供を望まず、自分のキャリアだけに長期間没頭できる人であっても、地域社会に貢献したいかもしれないし、小説を書いたり、外国語を習ったり、海外に住んだり、社会起業家になったり、大好きな趣味にすべての時間を使いたいかもしれない。こうした人生の大きな夢は、仕事と同じくらい大切だ。それをどう両立させるかはあなた次第だ。


桜畑は30年以上もひとつの会社で働いた「旧人類」ですが、生活や興味が変わる節目には部署の移動を願い出て、仕事内容をリフレッシュ。そして50代で定年までの安定生活をぶち切って「セミリタイアひきこもり」というキャリアを(笑)築きはじめました。

人から見ればドロップアウトですが、本人にとっては毎日が新しい自由な挑戦です。若いうちから、もっと緩急つけた暮らしをしてもよかったな~、と思います。

結婚・出産などの節目を迎える人、余裕のない仕事に疑問を持っている人。

これからは「ポートフォリオ型人生」です。

人生の紙ばさみに、自分の描いた美しい色紙、おもしろい色紙を、いくつでも挟み込んでいきましょう!

それではまた!

*参考 ゆるい生き方ってどういうこと? 短く働き、自由に暮らす達人の考え方がわかる本5選

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