こんにちは~!桜畑です。
92歳の父の独り暮らしが8か月で崩壊し、妹の家のそばの「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)に入居することになりました。
*参考 実家が「売れない事故物件」になる恐怖! 92歳の父、一人暮らしデビュー対策
*参考 もう限界! 92歳の父 施設やサ高住をどう選ぶ?探し方と説得方法
手続きや荷造りの戦力にならない高齢者を、他県からサポートして引っ越しをさせるのはそれなりに大変です。
- えっ?入居前に火災保険に入るの?
- あんな狭い部屋に、畳大のテレビが入るかな?
- 家電話とFAXは要るか要らないか…?
意外と課題が多い…。
1個ずつハードルを飛び越えながら、なんとか引っ越しマラソンを完走したので、サ高住に入るときの手続きや、持ち物について書いていきますね。
目次
1. サ高住に入る時の手続き
サ高住は賃貸住宅+高齢者に特化した住宅。
なので、運営会社からは
- 本当に家賃支払い能力があるか?
- 認知症や特別な治療を必要とする病気がないか?
- なにかあったときに責任をとる人がいるか?
の確認作業が必要となります。
1-1 連帯保証人と身元引受人を決める
- 連帯保証人は、支払いが滞ったときに支払いの責任を持つ人。
- 身元引受人は、入居困難、死亡の際に本人の身柄を引き受ける人です。
ひとりで兼任することもできます。父が入るサ高住の条件はこんな感じ⬇
連帯保証人の条件:
- 65歳以下
- 月々の収入がある方
身元引受人の条件:
- 65歳以下
- 3親等以内(*)
*3親等=曽祖父母、祖父母、父母、子、孫、ひ孫、兄弟姉妹、甥・姪、おじ、おば
父のように90代で入所の場合、子どもたちがすでに65歳以上のこともありますよね。
あるいは桜畑のように引退して無職無収入だと保証人になれません😞。
となると、選択肢は以下になります。
- 配偶者や甥や孫などの親戚に頼む(配偶者は身元引受人にはなれない)。
- 高齢者住宅財団の家賃債務補償制度を利用する(2年間の保証の場合、月額家賃の35%がかかる)
幸いうちは、派遣社員の妹が、無事審査を通りました👍
1-2 入居申込書を書く
本人についての項目
- 介護サービスについて:自立か、介護保険の申請の有無、介護度と介護事業所名など
- 基本情報:氏名、性別、電話番号、生年月日、年齢、住所
- 収入について:年収(年金など)や家賃、自宅売却予定はあるか など
連帯保証人の情報
- 基本情報:氏名、性別、電話番号、生年月日、年齢、住所
- 収入について:年収(年金など)や家賃、自宅売却予定はあるか など
身元引受人の情報
- 基本情報:氏名、性別、電話番号、生年月日、年齢、住所
(収入については問われません👍)
これらを書き込んだら、事前にPDFで担当者に送ります。
1-3 その他契約に必要な書類を揃える
父、身元引受人、連帯保証人それぞれ以下の3つが必要です
- 住民票
- 印鑑証明(*)
- 収入証明
ほかに:委任状(父のみ)
*収入証明として使えるもの:源泉徴収票・給与明細書・課税証明書・税額通知書・確定申告書など
住民票と印鑑証明は、マイナンバーカードがあればコンビニでとることができます。
実家に出向き、父とコンビニに行こうと思ったら、父はちゃんと近所の出張所で住民票と印鑑証明をGETしていました👍
収入証明は、以前に確定申告書の写しを利用。以前にPDF化しておいたものが使えます。
委任状は妹が代理で契約するために必要です。実印を押してサインをしてもらい、父の書類は完了です。
妹の収入証明は源泉徴収票でOK。
コラム1 実印がないよ!!
ここでビックリだったのが、妹と姉が実印を持っていなかった事実です(笑)。
妹は引越し時に紛失してそのままに。
既婚の姉(長女)は家を買うときに専業主婦だったのでつくらずそのままに。
当初考えた分担は、
長女:父の身元引受人
次女:母の連帯保証人(有料老人ホームは無職でも連帯保証人になれる)
三女:父の連帯保証人
だったんですが、運悪く姉が新型コロナにかかり、実印をつくったり、印鑑登録のために役所にでかけることができず…妹が身元引受人と連帯保証人を兼務することになりました。
妹は、あわてて印鑑を買い、半休をとって印鑑登録に出向く羽目に。
不動産業界のIT革命はまったくすすんでなくて、印鑑が必須であることを思い知りました。
「実印と印鑑登録」という悪しきシステム、早くなくならないものか🤔
1-4 健康診断書を用意する
入居時でよいのですが、3か月以内にとった健康診断書が必要でした。
書式は自由なので、かかりつけのクリニックにかかり、一般的な血液検査の結果と所見を書いた診断書を作成して郵送してもらいました。
検査結果は外注なので、手元に届くのに2週間くらい見たほうがよいです。
1-4 火災保険に入る
入居に際し火災保険に入ることが条件となっていました。
契約開始日(鍵をもらった日)からの契約で申し込みます。
高齢もで入れるところをネットで探し、
全労済が運営する「こくみん共済」の
賃貸マンション専用「住まいる共済」を契約しました。
- 掛け金:10,100円/年間
- 保険金:
- 火災時500万円 賠償責任1000万円 類焼時1億円
- 自然災害100万円、個人賠償3億円 借家人賠償 3億円
ということで、保証の割に掛け金が安く、安心しました。
契約書(組合員証)が届いたら、これもPDFにして送付します。
__________
以下のような事件があったものの、なんとか契約にこぎつけました。
親の家が遠いと、印鑑や書類の不備ひとつで再度往復となるので、キツイですね。
コラム2 実印がまちがってるよ!!
入居の意志を伝えてから約3週間。なんとかサ高住入居契約にこぎつけ…
たかと思いきや、旅先の桜畑のもとに、妹から連絡。
「父の実印が違ってるってよ!」
えーーーっ!!
印鑑証明書に押印されているものと、持参した印鑑の印影が違うことに、先方が気づいたということです😱
父が中学生のときに祖父につくってもらったという今は禁止の「象牙」の印鑑。
確かにこれだと父から渡されたんだけど…。
母にきいてみたら、
「実印は2階の奥のタンスの1番目の左の引き出しに白い封筒の中よ」
要介護の割に、私より記憶力がいい母。そういえばそう言われてたような…。
旅行から帰宅後すぐ、実家に足を運び、その通りの場所で発見しました。
父が出してきたのは、本物によく似た、昔使っていた印鑑だった…。
というわけで、正しい印鑑をゲットし、ようやく契約が終わりました。
よく言われることですが、本人たちが元気なうちに
- 実印
- 登記簿謄本
- 貴金属
のありかは、きょうだい全員で把握しておくべきとあらためて思いました。
2. 病院、介護保険、見守りサービス、生協、テレビ、電気・ガス・水道、新聞、電話、引越し業者などの手続き
サ高住入居の契約以外に、今まで自宅で受けていたサービスの解約や新規契約、引き継ぎがいろいろあり、思ったより手続きに時間と手間をとられました。
2-1 通っている病院の引き継ぎ
健康診断の際に、かかりつけのクリニックから転居先のサ高住の関連病院宛に紹介状(診療情報提供書)をもらいます。
年に1,2度検査に訪れる総合病院にも出向き、転居先そばの系列病院に、紹介状を書いてもらいました(腎臓内科・心臓内科)。
診療情報提供書は自費になるので、数千円の負担になります。
その日のうちにもらえず、あとで取りにいったり郵送になったりで面倒です。
でもこれをやっておくと、紹介状必須の大病院にかかれて、新しい担当医を決めておくことができます。転居後持病が悪化した入院した父。ちゃんと総合病院に挨拶しておいてよかったな!と痛感しました👍
コラム3 医師の紹介状はコピーをとるべし!!
医師の書く紹介状(診療情報提供書)は、「信書」と言って、原則、患者や家族が開封してはいけないことになっています。
でも桜畑はそーっと開封して、主な部分のPDFをとり、印刷しておきます。
検査結果や症状の変化、入院・手術の年月日、担当医の名前など、基本的な情報が書いてあるからです。
封筒をなるべくきれいに開封して、閉じておけば問題ありません。
汚くなってしまったら新しい封筒に入れて、宛先を書き直します。
わかってる医療機関さんは、事前に頼むと、封を開けておいてくれたり、コピーをくれる場合もあります。
これを持っていると、紹介先以外のクリニックや訪問診療にお世話になるときに、とっても役立ちます。経過を尋ねられたときにも、これを見ながら即答できて、医師側にもメリット大。「コピーをください」と言われることもあります。
診断結果は個人情報なので、患者やその家族のもの。デフォルトで共有して!!と強く思います。
2-2 介護保険サービスの解約
担当のケアマネさんに連絡し、使っていたサービスの解約・撤去をすすめます。
- 担当のケアマネさんに転居日時を連絡
- 介護保険でつかっていたサービスを確認
- ホームヘルパーさんと、最後の訪問日時を打ち合わせる
- 玄関に設置していた手すりの撤去
- レンタルシニアカー 業者さんに本体、鍵、マニュアルを返却
ヘルパーさんとは長い付き合いだったので、父も家族も別れを惜しんでいました。金品のやりとりができないので、お礼の品など渡せず残念です。
●介護保険は現状のまま
介護保険そのものは、住民票を移さないので再認定や再発行の必要はありません。
多くのサ高住は「住所地特例対象施設」(*)となっていて、今までの自治体の介護保険に加入したまま、施設に入居するそうです。
なので、「住所地特例適用届」を自治体に提出します。この手続きはケアマネさんがやってくれました。
あらためて介護認定を受ける必要がなくて、らくちんです。
*住所地特例対象施設=「介護老人福祉施設」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「有料老人ホーム」「軽費老人ホーム」「養護老人ホーム」「サービス付き高齢者住宅」など。住民票を移さずに入居できるので、引き続き地元の市町村で介護保険の発行が可能。
2-3 見守りサービスと生協の解約
高齢独り暮らしということで導入した「ALSOKみまもりサポート」を解約します。
動作を確認するセンサーや、非常ボタン装置を取り外し、ペンダント式の非常ブザーを返却。
解約費用は1万円ちょっとでした。
工事は30分もかからず、玄関や窓に貼った黄色とブルーの警備保障シールは、希望すれば貼ったままにしてくれるとのこと。ナイスですね!
空き家になって無用心なので、ありがたくそのままにしてもらいました👍
買い物が不便な場所なので、毎週頼んでいた「生協」も解約。出資金が数ヶ月後に戻ってきます。
食材や雑貨を気軽に頼みすぎて大問題だった生協と、ようやくお別れできました。
2-4 ケーブルテレビ(J:COM)の繋ぎ変え
空き家とはいえ、定期的に通って風を通したり、泊まり込みで片付ける必要もでてきます。新聞以外のインフラ系は当分継続です。
実家ではケーブルテレビのJ:COMを通して、以下を契約中です。
- デジタル放送
- 家電話
- Wi-Fi
- NHK
- 東京電力
どれも当分継続ですが、大きいテレビはサ高住に持っていくというので、J:COMボックスというチューナーを小さいテレビに繋ぎ変える必要がありました。
ネットを通して工事を頼みます。電話連絡がくるまでに2,3日。工事はその2週間後、実際の工事は2時間くらいかかりました。めんどくさかった…。
2-5 電気、ガス、水道、電話・NHK・新聞を契約する
父の入るサ高住にはテレビアンテナはあるものの、J:COMの契約がなし。
電話回線とWi-Fiは不要と思われたので、転居先で以下の契約をしました。
- 電気 新規契約
- ガス 新規契約
- 水道 新規契約
- 新聞 実家の地域の集配所に電話して手配
妹が市内に住んでいるので、手続きがスムーズで有り難い。
新聞以外は実家と二重に支払います。空き家の維持にはお金がかかりますねぇ。
2.6 引っ越し業者を決め、日にちを確定する
父の気が変わらないうちに、引っ越しの日取りを決めます。
ネットで見積りをとり、2社の引越業者を選定。
妹がアポをとり、実家に来てもらい改めて正確な見積もりをとります。
対応のよい、アー◯引越しセンターに決定しました。
引越し日は、息子か夫が車を出せる日を選定。引っ越し疲れのまま電車移動はきついし、貴重品は自分で運ばないといけないですからね。
日にちはその場で決まるんですが、時間は3日前に連絡。朝なのか夕方なのか…結構やきもきしました。
2.7 段取りを共有する
入居・引っ越しの手続きや下の持ち物リストは、すべてグーグルドキュメントに書きこみ、いつでもどこでも見られるように。
さらに、父と母用に大きな字で印刷して、壁に貼り出す。
きょうだいにはLINEでリストを共有。
父は自らスーパーでダンボールをGET。気づいたものから放り込み、自分なりに準備を進めてくれました。エライ!
実働は主に妹と私ですが、他の家族も作業内容や作業量を理解していると心強いし、忘れていることを指摘してもらえて助かります。
何より孤立感がなくなるのでいいですよね。
3. サ高住生活に必要なもののリスト
3.1 父が入る部屋の広さと設備
基本、賃貸住宅であるサ高住。父が選んだ部屋は26.94平米のワンルーム。
鍵を受け取ったら、冷蔵庫・洗濯機置場やクローゼットの幅と奥行、窓の高さと幅などを採寸。家電やカーテン、収納家具を揃えていきます。
設備は
- インターホン・緊急通報ボタン・防犯センサー
- IHキッチン、洗面所、トイレ、浴室、バルコニー、
- クローゼット、下足箱、エアコン、照明器具
若者の独り暮らし用マンションより、バスルームや洗面所、トイレはゆったりつくられています。キッチンはIHの一口コンロに小さい流しがついたコンパクト仕様。
玄関、洗面所、キッチンとも収納場所が上下にあり、靴や傘、消耗品を入れるのに困りません。
クローゼット幅は125センチ。1人分なら充分なので、洋服タンスはなくてもよさそうです。
3.2 家から持ち込む家電と家具
父の希望を聞きながら、家から運ぶものを書き出しました。
- テレビ(大)&ハードディスクレコーダー
- パソコン、プリンター
- スタンドライト
- 壁掛け時計
- スティック掃除機と紙パック
- 湯沸かしポット
- 電子レンジ
- 寝具(シーツ 枕 電気毛布 タオルケット 毛布 掛け布団など)
- ベッド ベッドマット
- カップボード(食器棚)
- ベッドサイドデスク
- 小机 2台
- 椅子 2脚(食卓椅子と折り畳み椅子)
- 小引き出し(下着用)
- クローゼット用収納ボックス
背の高い家具は食器棚だけですが、お茶道具を置くほか、書類や冊子を立てて置いたり、引き出しに文房具や薬、鍵、保険証などの小物を入れられて超便利です。
3.3 新たに揃える家電、家具
以下2つは新規購入。家族用は大きすぎるのと、実家の片付けの際にもないと困るからですね。
- 洗濯機 慣れないドラム式でなく、縦型(洗濯が趣味なので、毎日のように風呂水をポンプで入れて、回しています)。
- 冷蔵庫 上に電子レンジを載せられる小ぶりのもの
便秘対策に「きなこ牛乳」をはじめたり、アイスやプリンを保管できるので、やはり冷凍冷蔵庫があると、生活の自由度が高まりますね。
3.4 検討したけどやめてよかった家電と家具
炊飯器
自宅で自炊もしていた父。炊飯器や鍋などの調理器具がいるかな?と様子を見てましたが、サ高住併設の食堂で、できたての食事を3食食べられるので、自炊欲は減退。
湯沸かしポットで湯を沸かす、電子レンジで餅やパンを温める程度。慣れてきたら、やっぱりご飯炊きたい!とか言い出すかも😓
家電話
実家ではスマホの呼び出し音が聞こえないときに助かっていましたが、
- サ高住にいれば家族が安否確認する必要はない
- 緊急ならフロントスタッフに連絡できる
なので、なくても困らなくなりました。
FAX
- もともと紙切れやリボンの入れ間違い、印刷方法がわからない等で、見ていないことが多かった
- ヘルパーさんやケアマネ、薬剤師等の訪問がなくなったので、需要がなくなった
- 母が隣に来てからは母を通してLINEで連絡可能
というわけでこちらも廃止。特に不便は感じません。
ダイニングテーブル
食事は食堂に行くので、折りたたみの小さいテーブルでお茶をする程度。
父は平面があるとモノで埋めてしまうので、増やさないほうがよい。
丸椅子
ダイニングチェア&折りたたみ椅子で部屋がいっぱい。足りなければベッドに座るので不要
3.5 衣類や生活用品のリスト
引っ越し先で無駄な買い物をしないですむように、実家から持ち込む道具・小物類のリストもつくりました。
- 食関係
- 鍋 (電磁調理器用)
- お玉
- 食器 コップ、湯のみ、マグカップ 小皿 菓子鉢など
- カトラリー 箸、割り箸、ティースプーン 小フォークなど
- ふきん・台ふきん代わりのキッチンペーパー
- お茶 スープ 出汁 調味料
- 食器用洗剤とスポンジ
- 衣類関係
- タオル バスタオル 雑巾
- パジャマ 衣類 下着、上着、靴下、コート、等
- 帽子、靴、傘、バッグ類
- 洗濯用 ネット、かご、小物干し、ピンチ ハンガー
- 衛生関係
- たらい・風呂椅子
- ひげそり 入れ歯用品
- ドライヤー
- 石けん・ハンドソープ
- シャンプー・コンディショナー
- ゴミ箱・ゴミ袋
- 文房具類
- 筆記用具 筆立て 手動鉛筆削り(笑)
- テープ、輪ゴム、クリップ、ホチキス、画鋲、
- カレンダー
- 貴重品や書類
- 健康関係
- ふだんのんでいる薬
- 湿布、ばんそうこう、軟膏など
傘や杖、季節によってはブーツやコートを忘れがち。
家に取りにいくのも案外たいへんなので、引っ越しのときに忘れずに持っていきましょう。
3.6 貴重品を回収する
父がいなくなると空き家になって物騒です。かといってホームに貴重品を置くことはできません。
- アクセサリー
- 自宅の登記簿謄本
を回収してわが家で保管することになりました。
大したジュエリーはないですが、あとでトラブルにならないように写真をとり、ぼろっちい箱に入れて、絶対ここにはないだろう(笑)という場所に収めました。
自分が置き場所を忘れそうなので、家族と置き場所を共有します。
これでだいぶホッとしていましたが、後日納戸から大引き出し一つ分のアクセサリー類が出てきてげんなり。母も存在を忘れてたみたいです。60代になったらアクセサリーも断捨離がいいですね!
4. 引っ越し前~当日の手順
4.1人手は多めに確保
週に1度姉妹で父の家に通い、
- ダンボールを組み立ておく
- 季節外の衣類など、使わない物から詰めておく
などの、引っ越し準備をすすめていきましたが、結局は前日・当日がいちばん大変です。
- 引っ越し前日 妹と私(パッキング)
- 引っ越し当日
- 私(パッキング)
- 姉(弁当など準備)
- 息子(運転)
- 妹(荷物受け入れ)
平日ですが、妹や息子はなんとか有給がとれて、参加してくれました。
本人が高齢だと、食事や移動の世話も必要で、人手があると助かります。
引越し日を決める際は、人的リソースを先に確保すべし。
4.2 業者に預けるものと手で運ぶものを分けておく
引っ越し時間は「11:30~12:30」と業者から連絡がありました。
これならサ高住入居時のオリエンテーションになんとか間に合いそうです。
前日のうちに割れやすい食器、パソコン、貴重品をより分けて、「車で運ぶもの」と書いておきます。
4.3 運ぶ家具、家電の準備
持っていく家具や家電はほんの一部なので、1階と2階に分けてリストにしておきます。
小さい家電はダンボールに入れて蓋を開けておくと、業者さんがパッキングもしてくれます。
朝食後にポットや電子レンジのコードを抜き、ポットの水を抜いて軽く掃除しておきます。
4.4 引っ越しのあいさつ
長年懇意にしたご近所に、あいさつ。父と姉でお菓子と引越し先を書いたカードをもって出向きました。
もっと早くからしておけばいいのですが、当日に、というのが父のこだわりです。
4.5 業者さんが来たら
引っ越し慣れした妹からの司令で、作業員さん2人に食事代程度の2,000円をポチ袋に用意。
名刺をいただくときに、忘れずお渡しします。
最初に家の中を見て、運ぶものやルートを確認し、作業が始まります。
家具を動かしたあとの掃除や、運ぶものの確認などでてんてこまいなので、人手があって助かりました。
梱包と運び出しで、2時間くらいで終了。
引越し先到着予測時間をきいて、受け入れ待機要員(妹)に知らせます。
★食事はちゃんととる
当日は早めに起きて父と普段通り朝食とり、業者さんが出発したら姉に買ってきてもらったお弁当で昼食。生ゴミはきっちり冷凍し、台所を片付け、給湯器やガスを止め、戸締まりをします。
4.6 荷物の受け入れ(大混乱)
父が通い慣れた母のホームに行き、引っ越しの挨拶をしてから引越し先へ。心配した渋滞もなく、引っ越しトラックより1時間あとに到着。
しかしサ高住で受け入れる側は妹ひとり。新しい冷蔵庫、洗濯機など家電の搬入と引っ越しのトラックが同時に到着して大混乱(笑)だったそうです。
できれば家電は2,3日前にセットしておけるといいですね。
4.7 荷解きをする
部屋が狭いので、搬入終了までは廊下のベンチで待機。
業者が帰って落ち着いたら、皆でダンボールを開け、収納場所に入れていきます。
サ高住は洗面所に高齢者が見やすいオープン棚があったり、玄関収納が充実していて機能的。
父と場所を確認しながら、生活用品を収めます。
姉妹3人揃ったので、あっという間に片付きました。
ダンボールや梱包材は、1階のゴミ置き場に即日持って行けるので助かります。
4.8 生活のオリエンテーション
ざっくり片付いたところで、サ高住のスタッフさんが生活の案内に来てくれました。
室内の照明器具のスイッチや非常ボタンの位置、オートロックの開け方など最低限の説明があります。
90代の父は、オートロックやインターホンの使い方だけでも頭がパンク。
細かいところは疲れているのでまた明日、ということになりました。
4.9 引っ越し疲れに注意
その晩はみんなで近所のホテルで夕食。無事に引っ越しが済んだお祝いです。
父はビールも飲み、家のベッドを運んだのでバタンキューだろうと思われましたが…
翌朝、近くに一泊した姉が様子を見に行くと
「一睡もできなくて、夜中に確定申告の書類入力してた…」
とのこと。
そういえば車の中でも寝ていなかったし、新しい環境に、想像以上のプレッシャーがかかってたようです。
- 戸建てとマンションの違い
- 集団生活のルール
- 住み慣れたマイホームへの想い
など、高齢者にとってはなかなかの環境激変。しばらく周囲の支えが必要ですね。
5. まとめ 自由と安全のバランスは難しい
というわけで、父は8か月のマイホーム独り暮らし生活に別れを告げ、サ高住の住人となりました。
なんせ92歳で全く新しい環境にデビューなので、トラブルは続出。
- 寝坊して朝食に来ず、スタッフに起こされる
- 大浴場で、年下の入居者に入浴マナーを注意されて、おこ💢(ほとんど年下 笑)
- 生ゴミを出す日を間違えて、持ち帰り
- セコムをかけたまま窓を開け、サイレンを鳴らす(みんなやる)
- 夜に風呂の緊急ボタンを押して、救急車が来る(!)
その度に落ち込み、「帰りたい」と電話がかかってくるので、家族の心も揺れ動きます。
当初は毎日のように誰かが通ってスタッフさんと話し合ったり、父の話をききました。
1か月後には、併設の有料老人ホームに母が追っかけ入居。
毎日母の部屋に通って話ができるようになり、
3か月たったくらいからようやく落ち着いてきた感じです。(ふーっ…)
サ高住は母の入っている「有料老人ホーム」とは違い、介護スタッフや看護師の手厚いサービスはないかわりに、
- 外出、帰宅時間に制限がない
- 洗濯機置き場があり、自由に洗濯してベランダに干せる
- 三食、食堂でバランスのよい温かい食事が食べられる上、自炊も自由
- 内風呂があるので、好きなときにお風呂に入れる(予約制の大浴場も)
- 困りごとはフロントスタッフに相談できる
- 夜はスタッフがいないかわりにセコムが緊急対応
- 安否確認に不安がない
と、自宅とホームのいいとこどりみたいなシステムです。
家族にとっては、自宅でひとり暮らしされるより心配事が減って気がラクです。
一方、父にとっては、身なりに気をつかい、時間通りに生活する窮屈さが辛いみたいです。
子育てやペットの飼育と同じで、ケアが必要な生き物(笑)の自由と安全のバランスは難しい。
当面、家族で見守りながら、父が満足して暮らせるようなバランスを見つけていきたいと思います。
老年期、最後、どこで暮らすか?はいつ考えはじめても早くはない。
自分は、親はどうするか? 真剣に考え心の準備をしておきましょう!
それではまた~!