こんにちは!桜畑です。会社員卒業後1年半。
コロナ禍で引きこもる日も多かった2021年は、たくさん本が読めました。
全200冊超。仕事をしているときの10倍くらい? 仕事の資料ではなく、読みたくて読んだ本という意味では20倍かもですね。
セミリタイア生活、ほんと最高です。
というわけで、今年読んだ約200冊の中から、ブログに書いてないけど、すごーくよかったなぁっていう本をご紹介していきますね。
目次
😍近未来を夢見てうっとり~『2030年:すべてが加速する世界に備えよ』
年子の保育園っ子の送り迎えに疲弊していた頃、空飛ぶ乗り物があれば!となんど思ったことか。
ところが近未来は、ワーママの夕方のドタバタがものすごーく楽になってしまうんですよ!
だって、この本によれば「子どもたちが自動操縦のドローンで帰宅する間に、AI考案の晩ごはんの食材が届き、ロボシェフが料理をしてくれる」らしいですから。
しかも「2020年の時点で、ここに登場する技術要素はすべて実現している」っていうじゃありませんか!
すでに12万部を突破して、今年の未来予測本のランキング1位になったこの本、黒バックに蛍光グリーンのタイトルとキャッチがかっこいい。最近巻かれている「帯」は文字がゴールドで、さらに近未来的なデザインになってますねぇ。
「小売、広告、エンタテインメント、交通、教育、医療、長寿、金融、不動産、環境……テクノロジーの“融合”によって、大変化は従来予想より20年早くやってくる」んだそうです。ワクワクしますね。
高齢者の孤立や車の運転問題、認知症等も、交通、流通通信革命、医療革命が、めざましく解決してくれそう。そして、何歳になっても、経験知を社会へ還元できる社会が到来すると。
リタイア後、老後も、なかなか世界は楽しそうダゾ!っていう希望を与えてくれました。最新テクノロジーについていくために、若い世代はもちろん、中高年こそ読むべき本!!
「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ Kindle版」
2022年1月2日まで、まとめ買いキャンペーン中でした!
キンドルなら帰省でひま~な時間でも、スマホでこっそり読めますね(笑)。正月からワクワクしたい方におすすめです!
🌊沖縄で波音を聞きながら読んだ本『10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと』
今年、コロナ禍の間隙をついて娘と出かけた沖縄。窓いっぱいに広がるビーチの、寄せては返す波音をききつつ、今後の人生航路について語りあいながら読むのにいい本でした。
仕事は中途半端、彼女なしの「僕」。友人の結婚式で知恵ある老紳士に出会い、人生で成功する秘訣をきく…という対話形式。小説を読むようにすらすら読めます。
タイトルの「世界が壊れる」というのは、かんたんに言うと国家や大企業といった既存のシステムが、機能しなくなってくること。
たとえば
- 「お金、国家」がコントロールしていたものが「アルゴリズム」に変わっていく(仮想通貨など)
- 廃棄コストの高い過剰な「モノ作り」はもはや悪。コミュニティでモノを共有するような仕組みに移行する(シェアリングエコノミーなど)
- 言語化できることは機械(AI)が最適化する。21世紀の人間の仕事は、アートとデザインへ
生き残るためには当然、「変化を起こす側に回る」のが有利。その際「自分(主体)に焦点を当てることが重要」という指摘はとっても深いです。
主体とは「自分が考えた思考や感情ではなく、それを生み出している存在」。
自分が好きなもの、どうしてもやってしまう得意なこと。存在そのもの。それをちゃんと見つけることで、「人は調和的、創造的になれる」と著者は言います。
「変化は、既存のシステムを運営している大企業や公務員ではなく、むしろニートや派遣労働者、シングルマザー、独居老人、年収200万以下などの層から起こってくる」っていうのも、おもしろい予言ですよねぇ。
確かにセミリタイア無職ひきこもり生活をしていると、国家・会社システムなど、大組織の矛盾やほころびが本当によくみえてきます。そして、それらがなぜ変われないかも、30年超会社勤めをすれば、痛いほどわかっています。
メジャー路線からはずれたマイノリティは、失うものがないです。そんな辺境の民が、自分のまわりに小さな変革を起こし、やがて世界が変わっていく…ということですね。
これからも半径500メートルで、ワガママに生きていこうと思います(笑)。
前述の「すべてが加速」でテクノロジーの変化を知り、一方で人間の側がどう変化すべきか?を考えるのにおすすめです!
🎵積ん読本の「今さら読書」『羊と鋼の森』
『羊と鋼の森』(ひつじとはがねのもり)は2016年の本屋大賞に選ばれた、ピアノ調律師をめざす青年の成長を描いた物語。
発売直後に家族が読んで、すすめてくれたのに、ずっとリビングの本棚に鎮座。2018年には山崎賢人主演で映画化され、後にテレビ放映され…先に映像でチラ見してしまう羽目に…。(とっても素敵な映画に仕上がってました)。
会社員時代は、緊急度の低いこういう本ってなかなか読めなかった。リタイアして、ようやくゆっくり読むことができた今、すでに文庫になっていますね(笑)👇
主人公は北海道出身。桜畑も子供時代札幌に住み、今も楽器に取り組んでいるせいか、楽器の素材となる木や羊を生み出す針葉樹の森や牧場の風景の描写に、まず心をつかまれました。
指一本で鍵盤を叩いた。それは基準音となるラの音だったのだけど、音の伸びる方向にすうっと景色が開けるのが見えた。銀色に澄んだ森に、道が伸びていくような音。そのずっと奥で若いエゾシカが跳ねるのが見えた。
『羊と鋼の森』
きれいな文章ですねぇ。こういう文体を味わうだけでも、超いやされます。
ピアノの調弦は、88の鍵盤に複数の弦が張られているので、約230本もの弦を調整する、気が遠くなるような職人技。決して器用ではない主人公は、自分には向いてないんじゃないか?と悩みます。自分の音楽をつくろうとする演奏者の葛藤も、主人公の目を通して描かれます。
才能ってなんなんだろう…。だれもがぶち当たる壁。先輩調律師が主人公にかけることばが光を放ちます。
「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。どんなことがあってもそこから離れられない執念とか、闘志とか、そういうものと似てる何か」
『羊と鋼の森』
みずみずしくて深みのある静かな文体が心に響いて、ノートに書き留めたいところがたくさん。読み終わるのがもったいない!っていう子どもの頃みたいな気分を久々に味わいました。
仕事をしているときだったら、電車の中でざばーっっと読んで、「あーいい話だった」で終わってただろうなぁ。
読後、北海道に旅行する機会があり、余計に森や湖の美しさが沁みました。話題の本にすぐ飛びつかないで、自分が読むのにベストのタイミングを待つっていうのも、読書のコツなのかも…と気づいた小説でした。
映像化作品
映画の方は、朝ドラ(NHK連続テレビ小説)「カムカムエヴリバディ」に主演の白石萌音ちゃんと白石萌歌ちゃん姉妹が、双子のピアニスト役で出てます!
脇を固める男性キャスト陣が鈴木亮平さん、光石研さん、三浦友和さん…と渋い。あらためてちゃんと見たい!
U-NEXTだと、31日間無料体験で見られますね!(初めての方のみ)
ちなみに、映像を見てから読むのも、読んでから見るのも、どっちも好き。作品の世界観が立体的に記憶されて、倍おいしいですよね。ぜひ、読んで、見てくださいね!
📖図書館で再会したあの名作!『読書について』 小林秀雄
徒歩5分の図書館の学習コーナーが書斎と化している桜畑。空き時間にブラブラするのも楽しみなんですが、その一角にあるのが「返却本ラック」。地域の人が読んで返却した本が、一時的に展示されてるんですね。「よかったら持っていって」って、庭の柿をおすそ分けされてる感があってなんかいい。
ある日見つけたのが、文芸評論家・作家、小林秀雄氏の「読書について」。セミリタイア読書の参考に…と手に取りました。
- 一流の作家をひとり選んで全集の日記から書簡(手紙)、隅々まで読む
- 読者は空っぽな頭を満たしてもらうものではなく、作家の創作に協力する自覚を持つ
など、示唆に富んだ助言にうなずきながら読み進め、はたと気づきました。この本、学生時代に読んだわー、懐かしい。
ひとりの著者の本を、まとめて読むようになったのって、このエッセイの影響だったんだなぁ。作家の言うことをただ頭にいれるのでなく、対話的に、自分の頭を動かしながら読めると、もう、著者が他人とは思えず、「人生の師匠」みたいになるんですよね。
後半は創作のヒントが多く、本当にモノをみるとはどういうことか、という秘密も解き明かされています。
試みにライターの形を黙って一分間眺めてみるといい。一分間にどれ程沢山(たくさん)なものが目に見えて来るかに驚くでしょう。
『美を求める心』
何だ、菫(スミレ)の花か、と思った瞬間に、諸君ははもう花も形も色も見るのを止めるでしょう。
花を黙って見続けていれば、花は諸君に嘗て(かつて)見た事もなかった様な美しさを、それこそ限りなく明かすでしょう。
そう言えば今年の梅雨時、道端のあじさいに目がとまり、無限の色変わりや小花の形の変化に魅了されました。
近所の稲荷神社のアジサイ。一本の木なのにいろんな色の花が咲いてます。よく見ると、まわりの萼(がく)と中の花色のバリエーションもすごい! pic.twitter.com/kYvu3s0pGm
— 桜畑(サクラバタケ)セミリタイア主婦 (@sakurabatakee) June 30, 2021
リタイア前は「あ、アジサイ咲いた」で終了…だったんですけど、急に「あじさい小宇宙」が見えてきて、ビックリ。感性って、年齢と共に衰えるわけではなく、心と脳に余裕ができると回復するんですね。
文体や事例は少し古いですが、小林秀雄氏の創作の秘密や苦労、人生の危機との向き合い方等々、『読書について』というタイトルからは想像できない密度の濃い内容でした。
何度再読しても学びの多い本。キンドルに入れて座右本にしようと思ったら、電子書籍版がない…! 中央公論社様、Amazon様、こういう名作こそ電子版を!ぜひよろしくです…!
🐷ふつうの女子が戦略的に生きるってこういうことか! 『ブスのマーケティング戦略』 田村 麻美
マーケティングって、ふわっとしててイマイチつかみどころのないことば。でもこの本を読むと「ふつうには売れないものの価値を高めて売る技術」なんだなってことが、よくわかります。
著者は「気さくな女性税理士」として仕事も結婚も手に入れた、いわゆる成功した女性。幼くして自分をブス=見た目で勝負できない人と定義づけ、中学は「ガリ勉ブス」高校は「おもしろいブス」としてポジション取り。
伸ばすべき特性は「素直さ、ほめ上手、子ども好き、気づかい」等と決め、涙ぐましい努力と行動力で、夢をかなえていきます。
自分を商品と考え、いかに弱みをカバーし強みを身につけていくかのノウハウを、自虐とともに実践的に教えてくれる上、読み物としてもめちゃくちゃおもしろかったです。
(編集者からの質問に答えた一文)
「メンタル的に打撃を受けないかたちで、ブスだということを受け入れるために、どのような心がけが必要ですか?」ーーばかやろう。メンタルはズタズタだ。ーーつらい、つらいことなのだ。
ーーでも、一度思い切って自己評価をゼロにすると、具体的に武器として何を装備していくべきか、考えられる。
『ブスのマーケティング戦略』
そんな彼女がおすすめのブランドは「ナチュラルビューティベーシック」。理由は、
ブスは美に投資してもリターンは少ない。お手入れされた清潔感が大事。ファッションセンスを高めるより「全体が違和感なくまとまっている」ことをめざすべき。
それにぴったりなのが、このブランドなのだといいます。
桜畑の知り合いの20代女子は、ナチュラルビューティーベーシックで身を固めて面接に臨み、見事転職に成功👏著者のアドバイスの「ちょうどよさ」がすごいっ!
今後の活躍と、次の著書が楽しみです。
まとめ ひきこもりつつワクワクする
コロナ禍で会社を辞めて、さぞ退屈な生活だろうと思われています。
ところが良い本や著者に出会う探索の日々は、毎日宝箱を開けるみたいで、とってもエキサイティング。
一生リアルには会うこともない著者たち。中にはもう亡くなった人もいるんですが、
1冊の本を読むことで、すごい人達が考えたすごいことやすごい経験を、直接自分の脳に注ぎ込んでもらえます。
せっかくなので
- あらかじめ課題を持って読みはじめる
- 要所にフセンをはっていく
- 後でノートに抜書き、感想を整理
という工夫で、1冊の本の価値は爆上がりしました。
200冊の本を振り返ってみると、思いがけない本同士がつながっていたりして、興味深いです。
下半期に読んだ本も、あらためて紹介したいと思います。(⇒50代セミリタイア 2021年のおすすめ本② 不幸の罠と幸福の道を知る)
すでに今年ブログで紹介した本も、下に貼っておきますね。
それではまた~!