ワーママだった頃
30数年、片道１時間電車に揺られて都心の会社に通った桜畑。年子2人が保育園時代は、毎晩「明日も無事に生き抜けますように」…と祈る（笑）ほどたいへんでした。
とはいえ会社というところは、お金をもらってスキルアップでき、いろんな人と協働して何かをやり遂げられる装置。なかなかにエキサイティングで、結構好きだったのかもしれません。
40代前半までは徹夜、終電も数しれず…。小学生2人を放って数日会社に泊まり込む羽目に陥ったこともありました。
新規プロジェクトの成功と休職
やがて新しい部署の立ち上げ責任者になって５年。やりがいがある反面、前例を壊さないと前進できないことも多くて、気苦労もたえない。
「今月もいい数字出てますね～っ」とか言われるようになった頃、なんだか体調がおかしくなって、半年以上自宅療養に（休職）。
家族や医師やカウンセラー、職場の配慮…等のおかげでゆる～っと復活（笑）を遂げたものの、年齢とともに、心を殺して通勤する時間や、ビルと人だらけの都会で青空も見ない生活が辛くなってきました。
だからといってやめられないのは、仕事がおもしろくないわけではないのと、責任や期待。それと引き替えに得る収入のせい？ でも何よりも、惰性ですね。ずーっとフルタイムで働いてきた習慣を崩すのがコワい…。
そして、子どももいなくなった家で、昼間ひとりでいたら病んでしまうのでは？ 20代から心配していたのがこれでした（笑）。
趣味の音楽を再開して
その頃、40代の友人が会社をやめて1年ひきこもりました。家にいて不安じゃないの？って訊ねるたびに、「ぜんっぜん。もう毎日楽しいよ…平日に買い物行ったり、野球場行けるの最高」とか言っていたんです（彼女は日本一弱い某球団のファン）。
若い頃から働き者で、どこの会社でも重宝がられる彼女でも、暇で困ったりしないで毎日楽しいのか…。身近にそういう例を見たことで、もしかして大丈夫かも。と思えてきました。
自分も40代で再開した趣味（楽器）のつながりも増えてきて、世間話はもちろん、音楽や楽器のマニアックな話ができるの最高だなって感じていました。
定年を待たずに退職
長らく紙のメディア中心にかわってきましたが、今やブログやSNSで、個人で気軽に情報発信できます。自分の経験や考えたことは、ネットを介して多少人様の役に立つかも…。というのも背中を押してくれました。
不況下で業界全体が沈む中、よく戦って成果も出したし、思い残すことはありません。
2020年初夏、コロナ禍の在宅ワークでひきこもった好機に、引き止め工作を華麗にかわし、さささーっと会社を降りることができました。
小さい暮らしに移行
長年の重しだった住宅ローンや教育費が、ちょうど終了。ふつうならここから老後資金を稼ぐべき年ですが、定年まで10年近くの収入はぜーんぶ放り投げて、「時間と自由」を選びました。
今日やることを自分で決める生活。慣れるのに少し時間がかかったけれど、最高でした。
着たい服を着て、好きな本を読んだり考えたり、書いたりし、ベランダでちょっとだけ野菜や花を育て、今日食べたいものをつくって食べ、ほぼ家の周りで完結する小さい暮らし。
グーグルカレンダーの予定が数えるほどしかなくて、「至急対応メール」がぜんぜん来なくて、家族が困ったら誰に遠慮することなく助けにいける……使えるお金がたくさんあることよりも、ぜいたくなことに思えます。
セミリタイア主婦というライフスタイル
退職後、会社のそばの金融機関に、口座解約の手続きにいったときのこと。「30ウン年も子育てしながら働いて、やっと辞めたんですよー」と言ったら、窓口の若いワーママさんが「ひぇっ？！」と天然記念物でも見るように固まりました。「今、鳥肌たちました…」と。
そうかぁ、まだまだ何十年も民間でフルタイムを続けるワーママって、珍しいのかぁ……。最後までまっとうした背中を見せられずに申し訳ない…。
でもまあ、がんばって子育てを終えたところで、新しいステージを選ぶ生き方の実態や、そこに至るまでに学んだことを書いておけば、何かの参考になるかもしれない。
そう思って、セミリタイア的な暮らしや、昔の経験や、日々学んでることを、家族に話すような気持ちで書いています。
今のネットは、まだまだ20代～40代の働き盛り、それも男性の発信が多いですよね。女性目線で、もうちょっと長い人生経験からの意見や情報が増えるといいなぁ～。
ふつうの幸せって案外たいへん
「無理せず働く」とか、「好きなことを続ける」とか、「家族をやっていく」とか、「安心して老後を過ごす」とか…ふつうの幸せを手に入れるのって、いつの時代も案外たいへんです。
このブログに出会った人が、ちょっと心を休ませたり、生き方のヒントを得たり、小さなお役立ち情報なんかを手に入れたりしてもらえたら…と願って、マイペースで更新していきます。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
それではどうぞ、おくつろぎください。