こんにちは~桜畑です。30余年働いた会社を辞め、セミリタイア主婦になってから3度目の春を迎えました。
この春就職した人は、新しい世界にワクワクする一方で、朝の通勤、会社の掟の息苦しさにげんなりしてるかも知れません。
早いと数か月で「仕事がイヤ過ぎる」「辞めたい」とか思う人も出てきます。
会社員生活は自分を鍛える場所としてはよいんですが、拘束時間が長く、時間や活動の自由がなさ過ぎ。
「仕事が嫌い」でも「お金のためにがまん」と、やり過ごしてるだけでは人生は開けません。
「仕事の何が嫌なのか?」「楽しい要素は何か?」をよく考えて、自分の特性と照らし合わせてみましょう。
転職・独立など大きな決断の前に、部署異動、引っ越し、人間関係やコミュニケーションについて学ぶだけで居心地がよくなることもあります。
桜畑も小さく環境を変えつつ「嫌い」をなくし、こつこつ働いてたら、50代でセミリタイア主婦にライフ・シフトできました。
自由な生活に近づくためにも、まず働いている環境の「好き」「嫌い」を分析してみましょう。
こんな疑問に答えます
会社員ってなんで息苦しいんだろう
もっと楽しく仕事ができないかな
どう考えても会社に向かないんだけど…
目次
1,働く場所と環境
居心地のよさ・快適さ(コンフォータビリティ)は、仕事の本質ではない割に、じわじわと「仕事が嫌い」につながるので侮れません。今いる環境をチェックしてみましょう。
①ロケーション
不動産と同じで、駅近で便利でかっこいいビルの方がモチベーションが上がる人が多いですね。都会が嫌いな人は、地方都市や郊外のオフィスがいいかも。
- 嫌になる例
- 通勤が不便。駅から暑い道を何分も歩くなど
- 街が嫌い。雰囲気やセンスが合わない
- ランチをとる場所がない。コンビニが遠い
- 買い物に便利なファッションビルが近くにないなど
ドア・ツー・ドアの通勤時間が長いと「仕事が嫌い」になりやすいです。知人は、部屋の広さに目をつぶり、駅から2分のマンションに引っ越してから、仕事の愚痴が激減しました。自分が引っ越すだけで解決することもありますね。
②オフィス
寝てる時間を除けば、一番長く生活する場所。オフィスに不快な要素が多いせいで「仕事が嫌い」になってるかも知れません。
- 嫌になる例
- 朝のエレベーターが長蛇の列でだるい
- 部屋に窓がなくて息苦しい
- 寒過ぎる/暑すぎる
- 椅子やデスクやパソコンが古い、合わない
- トイレや給湯室、更衣室の掃除が行き届いていない
- 休憩するスペースがない
- テレワークができないなど
友人は数年に1度の部署異動の際、まずチェックするのが「電子レンジとキッチンシンクの有無」。お弁当を温めて食べ、お弁当箱をすぐに洗えることが、彼女にとっては重要なんですね。
こうした職場の生活環境ひとつで「仕事が嫌」が「快適、楽しい」に変わることもあります。あきらめないで担当者に要望を出すなど、動いてみることも大事です。
2,人間関係
昔も今も、仕事を辞める原因のトップは悲しいことに「人間関係」。本人が極端なコミュ障、人格障害など、組織で働くのが難しい場合もありますが、会社側に問題があることも多いです。
①組織のカルチャー
会社に限らず組織に集まる人々には、経歴や価値観に同質性があります。そこに自分がフィットしていると、コミュニケーションが円滑でラクですが、逆の価値観だと「仕事が嫌い」になります。
- 嫌になる例
- 組織の作り方が合わない(フラットな関係←→体育会系のノリ)
- 興味関心が合わない(進歩的←→保守的など)
- 思考回路が合わない(論理的←→感情的など)
- 価値観が合わない(ワークライフバランス優先←→仕事優先)
- 男女、学歴、見た目などに差別がある
- えこひいき、ねたみなどがまん延
- ハラスメントがある(パワハラ、モラハラ、セクハラなど)
創業が古かったり、頭の固い社長で、価値観がアップデートされていない会社はここらへんの変化がとっても遅いので、「仕事が嫌い」になってしまうかも。
②問題対応力
人間関係のトラブルは、各社員の個人的問題と思われがち。でも、デキる上司は相性も含めて、誰をどう組み合わせたら、最大の効果が出るか?も考えてチームづくりをするもの。
また、極端な「問題社員」を、「注意・移動・退職勧告」などでビシッと対応するのも、組織の責任。放置すると、社員のやる気が下がります。
- 嫌になる例
- 価値観の合わない人ばかりのチーム
- 不真面目で、働かない社員が放置されている
- 病的に仕事ができない人のフォローをさせられる
- ハラスメントや不正な行いをする人が、よい待遇を受けている
問題社員がいても「自分は自分」…と思いがちですが、実際にはそれが理由で退職する人もいます。
「問題社員」を会社が放置→自分のがんばりが虚しくなる→ストレスマックス という構図ですね。悲しい〜。
③心理的安全性の意識
「心理的安全性」は組織の中で自分の考えや気持ちを正直に表明できる(非難されない)状態のこと。「成功し続けるチームは心理的安全性が高い」というグーグル社の研究発表で脚光を浴びました。
自由な発想や失敗を歓迎する風土があった方が、活気もあるし成果が出やすい!って、結構みんな感じてたことじゃないでしょうか?
今どき「心理的安全性」が大事だという意識が組織にないと、当然「仕事が嫌」になります。
- 嫌になる例
- 正直な意見を言ったときに、相手が感情的になる
- アイディアを出すと、否定されたり、バカにされる
- 新しいチャレンジに対して「失敗は許されない」と言われる
- ハラスメントやいじめなどの問題を、訴えられない雰囲気
- 上司の過度な要求を断れない
逆にいえば、なんでも言い合えてどんどんアイディアが出るチームにいれば、楽しくて「仕事が嫌い」と思うヒマはないはずなんですけどね。
3,仕事のやりがい
職場の環境や人間関係も、仕事の楽しさに大きく影響しますが、それを乗り越えられる要素があるとしたら、「仕事のやりがい」でしょう。
以下の要素が少ないと、やりがいを実感できず、ますます「仕事が嫌」になります。
①ワクワクできるか
自分の興味ある分野や未知の新しい仕事にワクワクしていたら「仕事が嫌」ってことはないですよね。バックヤードやルーティンワークであっても、工夫する裁量があると楽しくなったりします。
時代や自分に合わない仕事だと働く意欲は低下しがち。部署転換や転職、独立など、ワクワクできる場所を見つけることをあきらめないでほしいです。
- 嫌になる例
- 自分の興味関心、得意とかけ離れている
- 保守的な体質で新しい提案が歓迎されない
- 刺激しあえる仲間がいない
②自己成長の実感
新しいスキルが身についた! 課題を克服できた! といった日々階段をトントンと上がっていくような達成感を感じられたら「仕事が嫌」にはなりません。
自分から新しいプロジェクトや挑戦的なタスクを求めていく姿勢も大事かもですね。
- 嫌になる例
- ルーティンワークや単純作業で飽きる
- 伝統や前例が大事で、改善や挑戦を避ける雰囲気
- できない人のフォローや頼まれ仕事が多い
- ライバルや目標となる人がいない
③貢献している実感
多少刺激がなくても「自分は役に立ってる」と思えればやりがいを感じる人も多いです。
たとえば医療関係や教員など、相手の命や将来にかかわる仕事だと、貢献している実感が高くなりますよね。心労、ストレスも多いかもですが…。
- 嫌になる例
- 総務、経理、バックヤードなど、組織に欠かせない仕事なのに社内でうとまれる
- 努力しても営業成績などが上がりにくい構造
- 顧客からのフィードバックがもらえない/苦情ばかり多い
- 社会貢献に反する仕事(不適切な商品の強引な販売など)
④仕事の効率の高さ
無駄な会議やメール、電話など、非効率で前時代的な働き方なのに、残業を強いられたりすると、時間やエネルギーを失い、やる気が低下しがち。
自分で時間管理や優先順位をうまく設定して、効率化すると共に、社内にもムダをなくす働きかけができるとよいんですけどね…。
- 嫌になる例
- 何も前に進まない会議ばかり
- 毎日形式的なメールが大量に発生する
- 内線電話や離席してる人の電話をとるなど、電話による中断が多い
- 個人で効率化しても、チームの進行が遅くて残業が発生する
- 失敗が共有されず、同じような事例がまた起こる
⑤正当な報酬
「自分の働きに対してちょうどよいと思える対価」。結局はこれがモチベーションになる人は多いですよね。
生活ギリギリラインやそれ以下、また不公平があると、不満やストレスがたまり、やる気が低下するのが人間のサガ。「仕事が嫌」の最大の要因はこれかもです。
- 嫌になる例
- 昇進して気苦労が増えても、雀の涙しか給与が上がらない
- 業績悪化や税・社会保険負担で年収が減る
- 同期の給与がなぜか自分より上
- 望まない雑費を引かれる
- 生活していくのに厳しい額
4,時間的・精神的自由
セミリタイアすると実感しますが、会社員の勤務時間や立場上の制約って案外日常生活を大きく縛っています。それに気づいてしまうと、「仕事が嫌」という感情が抑えられなくなるかもしれません。
①勤務時間の自由度
農家やものづくりなど自営業が大半だった昔と比べると、現代の労働環境は、勤務時間に厳しいですよね。体調や気分に合わせて仕事時間を決める自由があったら、もっと快適に働けるのに…。
- 嫌になる例
- 通勤混雑ピークに電車で移動
- 混雑ピーク時間のランチ
- 眠くて効率悪くても仮眠がとれない
- 平日昼間の用事(銀行やチケット予約など)ができない
- 子どもの病気や行事で抜けにくい雰囲気
- 1人で集中したい時間に限って入るミーティング
- 忙しい時期に企画される、ムダなイベント
②労働時間の長さ
競争の激しい職種、人手不足、進行管理がいい加減…などが原因で、長時間労働を強いられることも大きなストレス。プライベートがどんどん圧迫されます。
- 嫌になる例
- 会議やアポイント多すぎでスケジュール帳に余白がない
- 「みんなで残業」が当たり前の雰囲気
- 土日祝日に、出勤命令。またはしないと間に合わない
③働き方の健康度
長時間のパソコン作業や肉体労働、精神的ストレスで健康を損なう人も多いです。そのせいで自分の時間をさらに失うスパイラル…。
- 嫌になる例
- PCに向かって座りっぱなしで、肩こり、腰痛とお友達に
- 多忙すぎや上司の叱責などで睡眠障害になる
- 趣味や娯楽、家族との時間がなく、情緒不安定に
④自己実現につながるか
自分のキャリアにつながらなかったり、自己実現とかけ離れた仕事内容だと、興味が持てず辛くなります。
- 嫌になる例
- 数字やPCが苦手なのに経理…など明らかなミスマッチや嫌がらせ
- 内向的で人嫌いなのに、毎日人に合う営業職で疲弊
- 管理職になり、好きだった現場の仕事ができなくなった
⑤自己表現や精神の自由
公務員や学校の先生などは、公僕として品行方正でなければ…というプレッシャーがあり、息苦しさを感じやすい職種。会社員も立場や会社イメージに合ったふるまいが求められます。
- 嫌になる例
- 車が来なくても信号無視ができないなど、法令遵守の圧力
- 金髪やひげ、自由な服装がしたくでもできない雰囲気
- 個人生活でも、常識的なマナーや趣味を求められる
- ユニークな価値観や意見を抑圧しがち
5、まとめ 修行を終えたら、自由度を高めよう
会社というのは、本来自由で気ままな人間に、時間と集団の掟を守らせ、密度濃く働いて成果を出させるためによくできた制度。
学生時代だらしなかった人も、時間管理がうまくなり、効率よく作業を済ませ、好感度の高い身だしなみで、品行方正に生きることができるようになります。
すばらしいっ!! 👏👏👏👏👏👏👏👏
一方で、本来自由でユニークなあなたの存在が、どんどん奥の方に押しやられていきます。
長時間労働や痛勤のため、自分を取り戻す時間がないと、ただ日々を送るだけになってしまう。
そして、ある日、
♪なんのため~に生~まれて な~にをして生きるのか?
こたえられ~ないなんて そ~んなのはい~やだ♬
ってアンパンマンマーチが頭の中に鳴り響くでしょう。
「仕事がイヤ、嫌い」とかいうと、「いい年して何わがまま言ってるんだ、社会人たるもの、がまんして働くのが当たり前!」って周囲から思われます。
自分の中の「常識人」もそう言って責めてきます。
でも、本人にとってはとても大事な感情です。
やり過ごすアイディアもいくつか書きましたが、セミリタイしたらほとんどすべてが解決したことは確かなんですよね。
だから、ばくぜんと「嫌い」ではなくて、
何がイヤでキライなのか=何が本来の自分を損なっているのか
を要素分析してみた上で、
- 今改善できることは改善する
- 自分を取り戻せる趣味の時間などを増やす
- 転職や独立、早期退職等、別の道を模索する
など、少しでも光を感じる方向に歩いていきましょう。
それではまた~!
後戻りできない決断をするのが怖くて、自分ではなく世間に決めてもらおうとする。「そろそろ結婚すべきだ」とか「嫌な仕事でも続けるべきだ」とみんなが言うから、まあ仕方ないさと受け入れている。
でもそれは、ただの責任回避だ。
何かを捨てて何かを選ぶという現実が重すぎて、選択肢がないふりをしているだけだ。
重い現実から目をそらしていたほうが、人生は快適かも知れない。でも、その快適さは人を空っぽにして、人生を僕たちの手から奪ってしまう。
『限りある時間の使い方』オリバー・バークマン (著), 高橋 璃子 (翻訳)より