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春がきたけど戦争もきた!『最底辺の10億人』を読んで考える、成長できない国の「4つの罠」

2022年3月9日

ううう、ガソリン価格がどんどん上がってく…恐ロシア…
21世紀はロボットが代理戦争するんじゃなかったの~?
まさかこんな野蛮な戦争が起こるなんて…

こんにちは! 日差しがあたたかくなって、ようやくベランダの花を植え替え、心が春めいてきた桜畑です。

セミリタイア生活に入って1年8か月。コロナ禍を理由にひきこもり、のんびり暮らしていたら、2022年2月24日、ロシアがウクライナに攻め込んで、戦争らしきものが始まってしまいました。

家にいた方がリアルに戦争を実感する

家で時々刻々伝えられるニュースを浴びていると、日中の大半オフィスにいたときより、渦中に放り込まれた感がすごい。

ネット、SNS、スマホのおかげで、進軍、衝突、空襲、避難等々のリアルな画像、映像が次々とテレビやネットで流れてきます。

アメリカの度重なる警告にもかかわらず、ロシアが戦闘をはじめた理由はこれ。

戦争になった理由

ウクライナ「われわれははヨーロッパと協力してもっと経済発展するぞ!」

ロシア「なんだと?弟分のくせに誰がそんなことしていいと言った?許さん!!」

21世紀にこれほどの人的物的被害を出す前近代的な戦争が起こるなんて…。

「近未来は、ロボットによる代理戦争になるのかなぁ」なんていうお花畑な想像は砕け散りました…。

世界がダブルパンチに見舞われた

こないだまで最大の関心事だった、コロナやオミクロンや感染者数というワードも、あっという間にかすんでしまった…

けど、コロナ禍はまだ続いており、世界も日本もパンデミックと戦争のダブルパンチ状態ですね。

ロシアという国は、日本にとって「北方領土を返せ返さない問題」から「密猟でおいしいカニが手に入りづらいよー問題」など、何かとこぜり合いをする隣国。

平和ぼけ島国日本人でさえ、「対岸の火事ではない!」という危機感が強く迫ってきます。

戦争の基本って変わらない

大河ドラマを見てればわかるように、戦争って、基本は領地と政治の覇権を奪い合うもの。取られる方は生きる尊厳や自由を奪われまいと抵抗する。

戦略の基本も大してかわってない。

  • せっかくつくった城(建築物)や街を壊す。
  • 合戦をして兵隊をたくさん殺す
  • 平民として楽しく生きていた人々の命や家や財産を壊す
  • 兵糧攻め 食料やインフラの流通をブロックする

現代の兵糧攻めは、食料、電気、ガス、水に加え、金融とインターネットを止めることなんだなぁ…とテレビを見ていて実感します。

無意識に使わせてもらっているインフラに、いかに依存して暮らしているか? しかもそれを供給するために、世界の国々が複雑にからみあっている…そんなこともつきつけられます。

成長できない国の4つの罠

たまたま読んでいた『最底辺の10億人』という本。

どうしても成長のレールに乗れない世界の5分の1の国々の共通項とは何か? をさまざまな調査手法であぶりだし、有効な対策を提言した名著です。

いわく、

  • 40年前「第3世界」と言われたエリアは確実に縮小した。世界人口50億の大部分が繁栄しているか、繁栄の途上にある国に暮らしている。
  • その中で、相変わらず内戦が繰り返され、政情が不安定な最貧国がいくつか残っていて、状況は悪化するばかりである。

ロシアとウクライナは、この最貧国には入っていません。

でも、成長できない国が陥る4つの罠。特に地政学的な問題が、今回の軍事侵攻の影にあるのだと気づきました。

  1. 紛争の罠 ⇒ 内戦やクーデターが繰り返され、常に生活が脅かされる
  2. 天然資源の罠 ⇒ 中途半端な資源からの収入が、かえって経済活動を停滞させる
  3. 劣悪な隣国に囲まれている内陸国の罠 ⇒ 海への輸送路が不安定で国際市場に参入しにくい
  4. 小国における悪いガバナンス(統治)⇒ 政治家や官僚の腐敗。多くは超富裕層で、変化を望まない

地政学的な不公平

特に3の内陸国であることの不利って、いかんともしがたいですよね。

ウクライナは黒海に面しているとはいえ、海峡の通行権はトルコが牛耳っていて、自由に使えるわけではありません。半分内陸国みたいなもんですよね。

ロシアにしても大陸の中でも極寒の地域に押しやられていて、面している海の大半は北極海。冬は凍って砕氷船しか通れない…。

こうした厳しい地政学的条件を考えると、温暖な海に囲まれた島国ニッポンがいかに恵まれているかがわかります。

人間だってどこに生まれついたかで運命が大きく変わるように、地球や大陸のどこらへんにあるかによって、その国の運営の難易度や可能性はものすごーく変わってしまう。

  • 外海に開けた豊かな海に面したヨーロッパ。
  • その仲間入りをしたいのに、入れてもらえないウクライナ。
  • 何度も西から責められる上、凍らない港をゲットするための戦いで、歴史的トラウマがいっぱいのロシア

今どきドンパチやって大勢の人命を奪い、ひどい!

けれど、もともと置かれている地政学的な状況の厳しさ、不平等さというのも、しっかりと頭に入れて、みていかなくてはいけないなぁ…と思います。

弱いほうが諦めたら、被害は少ない

酒造工場で火炎瓶をつくるウクライナ市民の姿は、竹槍で敵を迎え撃とうとした日本人の過去と同じにみえます。

手作りの火炎瓶をロシア戦隊に投げつける映像が、繰り返し放映される今、ウクライナの人々の愛国心とプライド、心意気は、十二分に世界に伝わりました。

でも、被害を最小限にするために、一刻も早く戦争を終わらせることを最優先するとしたら…。

感情的にはとても受け入れがたい事実ですが、残念ながら各国が武器や志願兵を送るのやめ、ウクライナが白旗をあげるのが戦争終結の早道でしょう。スポーツでは、実力差が大きすぎたときに、コールドゲームという残酷で合理的なルールが実施されるように。

一方で、イーロン・マスク氏が衛星インターネット機器を提供しました。各国政府や国連にはできないことですよね。

GAFAをはじめとした新しいテック企業が、軍事的な弱小国を救えたら、21世紀の希望になるんだけどなぁと、一縷の望みにもかけたくなります。

大事なのは戦後

どちらにしろ、大事なのは戦後。

『最底辺の10億人』の研究によると、紛争の直後は、政治、経済を著しく変化させる唯一といえるほどの大チャンスだと言います。

いつの時代も紛争、戦争後2年程度は膨大な支援が集まりますが、数年で忘れられてしまいます。入れ替えられた政権、傷ついた国土、いなくなった人材をもとにもどすには、10年以上の支援が効果的であると提言されています。

どうやって戦争を止めるかも大事です。でも、戦後、実質的に経済成長へ向かうために、いかに長く効果的な支援を継続できるか? こちらの方が、より今後の世界を平和に導くという視点を忘れないでいたいと思います。

世界がこれほどつながってたとは

「この先、市民に対する人道的影響は壊滅的なものになるでしょう。戦争に勝者などいません。しかし、数えきれないほどの命が切り裂かれていくのです。」フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官

世界196カ国のうち、たった2カ国が戦争をはじめただけで、株価は急落し、石油価格は急上昇し、物価が上がり地球ごと揺り動かされるみたいな大騒ぎになってきました。

いい意味でも、わるい意味でも、世界はつながっている。

今はUNHCR*に寄付をするくらいしか、具体的な行動はできないんだけど、心を寄せること、考えることだけは続けていきたいですね。

それではまた!

*国連難民高等弁務官事務所(The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees、略称:UNHCR)という難しい名前の国連の機関。1950年から、増え続ける難民のために世界的なネットワークを駆使して、ありとあらゆる難民支援や問題の研究を精力的に続け、ノーベル平和賞も受けているすごい団体。国際政治学者の緒方貞子氏が1990ー2000年に代表をつとめた。本部はスイス・シュネーブ、日本支部は東京・南青山。

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