こんにちは。ひーひー言いながら20年以上フルタイムワーママを続け、子育て終了で楽になったとたん、なぜかリタイア(笑)した桜畑です。
仕事と子育ての両立は永遠の課題。結婚出産後も働き続ける女性が多数派になったからと言って、誰もがそうすべきというものでもないですよね。
時短もなかった時代からみれば、だいぶ環境が整ったとはいえ、女性の仕事+育児の長時間労働問題はぜんぜん解決していないし、夫が忙しくてワンオペの人も相変わらず多い。
ムリをせず続けられる理想の環境って、どういう状態か?
お金や職場の条件は、まず取っ払って、理想の子育てを思い描いてから、それに向かって環境を整えていってはどうかな?と思います。
こんな疑問に答えます
フルタイムワーママがしんどくて辞めたい
ワーママを続けるメリット・デメリットは?
育児と仕事のラクな両立ってムリなのかな?
目次
1,なぜ辞めたいと思うのか
①定番のあきらめポイントは?
子育てと仕事の両立を諦めるポイントといえば、
- 夫が忙しくてワンオペがムリ
- 病気のとき、親の家が遠いなど、頼れる人がいなくて行き詰まる
- 子どもといる時間が少なすぎて辛い
あたりが定番ですね。
桜畑は下の子が小さく生まれ、育休中にぜんそくや肺炎で何度も入院。仕事を辞めようと思い、担当医に相談しました。小児病棟は24時間、親の付き添いが必要で、それだけ考えても母親がフルタイムなんてムリ…って感じたんですね。
②働く女性の先輩(医師)の意見
小児科の先生たちは、きっと「お母さんがそばでみてあげた方が」と言ってくるものと思っていたら、主治医は思春期の息子を育てるワーママ。「いいお仕事だから、復職してから考えて」。女性の部長さんまで「今決めないほうが」と説得してくるんです。
「えっ?そうなの?先輩?」意外な答えにびっくり。そうかぁ、住宅ローンも組んだばかりだし…と、後ろ髪ひかれつつとりあえず復職。
幸い息子は上の子と同じ保育園に入所。お世話になっているベテラン保育士さんいわく「そばにいると子どもべったりになりそうだから、預けられてよかったね」…。なるほどー。客観的にみると私は「心配性な過保護ママ」予備軍。働いてた方がいいタイプに見えたんでしょうね。
③あの時辞めていたら?
かなりハードだったとはいえ、無事に年子2人が社会人になって50代でセミリタイアした今、あの時、「辞めたほうが」…と周囲に言われていたら、今の自由はなかったなぁ…と思うと、働く女性として助言してくれた医師たちには感謝です。
だからみんな、石にかじりついてもがんばってほしい…というわけではありません。周囲の意見や期待は無視し「いったん辞めて、子どもたちが小学校中・高学年くらいで復職」という選択肢もあるし、「住まいを手放し、家賃の安い田舎でのびのび子育てする」という可能性もあったでしょう。
ただ、やる前に諦めるのではなく、「やってみてから決める」というのは大事。走っていると、保育士さんやママ友、塾や学校の先生、マンションの管理人さん…。思いがけない助け手も現れたりして、なんとかなったりします。
- どのくらい今の仕事が好き?
- 主婦の仕事だけでも楽しめそう?
- 助けてくれる人はいる?
- お金の余裕がどの程度ほしい?
- 子どもとの時間をどのくらいとりたい?
- 夫との力関係は?
いろんな要素を整理しながら、走りつつ、納得して選択していければいいと思います
*参考 共働きの子育ては無理?続ける条件はこれだ!チェックテスト
2,ワーママを続けるメリット
①生涯賃金の差
ワーママを続けるメリットの第1は「生涯賃金の大きさ」。これはシビアな事実ですね。
20代で入社したとき、10年の子育てブランクを経て復職したJ先輩が、こっそり給与明細を見せてくれて言いました。「一旦辞めるとこうなっちうゃから、続けた方がいいわよ」…。主婦業や育児の経験値も活かしてバリバリ働いているJ先輩の給与は、まだペーペーの私と大差なく、「えーーっ?!」と目を疑いました。この時のショックが、フルタイムで働く原動力になったかも。
出産時にいったん辞め、パートなどで復職すると、生涯賃金の差はもっと大きくなります。
②夫婦対等な関係&子どもと離れる時間
フルタイム夫婦はどちらも一家の大黒柱。責任も重いですが、夫への経済的依存度が小さい分、発言権、決定権も対等になりやすいです。
家事分担を夫とふたりで担うしかないのはもちろん、家を買うときにも共同名義にできるし、家具や家電など、大きな買いものをする時や、子どもの習い事や進路を決めるにも、対等に話し合うことができます。
仕事時間+育児時間で時間的拘束は長いのですが、子どもから離れる時間、会社から離れる時間が補い合ってストレスは軽減。気持ちの上での自由度は、専業主婦より高いかも知れません。
③自己成長と選択肢の広がり
働き盛りと言われる30-40代を、家庭に埋没するのではなく、広い行動範囲で、多様な経験ができる=自己成長できるのは、会社で働くメリットです。社会の動きや子育てを取り巻く環境など、さまざまな情報が入ってきやすいのではないでしょうか。
子どもたちも、働くママを誇りに思ってくれます。身の回りのことや家事も分担せざるを得ないので、生活力もつきます。祖父母も含めて協力しあうので、家族の連絡が密で、絆が強くなるという良さもあります。
スポーツ用品や本、習い事など、これは大事と思うものにはお金をかけてやれました。高校や大学は私立も選択できるので、好きな科目に集中できるよさもありました。
3,ワーママを続けるデメリット
①時間と体力を削られる
通勤往復2時間+保育園の送り迎え+育児家事労働。基本、定時に帰る夫とふたりでもオーバーワークだったのに、ワンオペだと本当にたいへん。自分にかまう時間や睡眠を削っても時間が足りないでしょう。
そして、子どもたちが保育園や学校からもらってくる風邪やインフルなどの感染症。ただでさえ疲れて免疫力が下がっているので、親にもうつって重症化。熱を出したり咳が止まらなかったりしながら仕事に行くのは周囲にも迷惑でマジで辛いですよね。
②子どもとの時間が少ない
保育園から小学校と学童に通う場所が変わると、子どもたちも「家に帰るとお母さんがいるの?」「平日からプールの送り迎え?」「夏休み、学童に行かないで親と出かけてるんだ」と、専業ママの家の「時間リッチな生活」に気づいていきます。
そうなんです。いっしょに遊んだり勉強をみたり、習い事の成果を見守ったりする時間、圧倒的に少ないですよね。今日、親は何時に帰ってくるのか?ご飯はつくってもらえるのか?明日もっていく体操着、洗ってあったけ?的な緊張感のもとに育つというのも「鍵っ子」の辛さ。その分自立したけれど、ストレスもかけたんじゃないかな?と思います。
③教育上不利な部分も
忙しすぎて家で練習が不可欠な楽器の習い事を断念したり、夜の「塾弁当」をつくってあげられなかったり…。家庭での教育という点では、家にいるお母さんの方が手厚くサポートしてあげられていいなぁと思います。
放課後友達が帰ったあとは、延々とテレビを見ていたせいか、アニメやゲームが第2の友達みたいだった小学生時代。クール・ジャパンの誇る文化に浸るのもよいですが、親がいたら、もっと興味の幅が広がっていたかも。
また、仕事を辞めて自然の多いところに住んでいたら、ゴキブリなんかに動じない子になってたのに…。自分は親が専業主婦で郊外の山の中で育っただけに、そんな懸念もぬぐえません。
もっとゆるい働き方や住む場所を自由に選べたら、どうしていたかなぁ?と考えると、次世代の働き方のヒントが見えてくる気がするんですね。
4,今考える理想の仕事と子育て
①幸福度が高い就業形態は?
さて、以前仕事で、専業、パート、フルタイムの3つに分けて、下の子が0~6歳のお母さんの幸福度を調べたことがあります。幸福度がいちばん高かったのは、パートタイムママ。時間とお金のバランスを、ある程度自分でとれるからでしょう。
実際ある保育園ママ友は、子どもが小学生になるときに学童保育に入れるのはやめ、子どもの帰宅時間までに帰れて、夏休みや休日は休めるという条件で、ご近所パートに切り替えました。ひとりっ子に寂しい思いをさせず、ある程度の収入を確保していて、なるほど、その手があったか!と思ったものです。
②ワーママか専業主婦かの2択になる理由
住宅ローンと学費の山を前にして、専業主婦かフルタイムか?その2択で悩まなければいけなかったのは、パートだと保育園に入りにくかったり、正社員を辞めると復職が困難な上、戻れても不当に賃金が下がる(と思われる)から。
解決策として、育児休業を2~3年とれる会社もちらほら出てきました。家事育児だけの3年で仕事の勘が鈍ったり、その間の収入ダウンというデメリットはありますが、ゆるい働き方が認められる社会は歓迎ですね。
③もっと理想の近未来を妄想してみよう
セミリタイアという自由な暮らしを手に入れた今、「本当はどんな生活がしたいか?」を妄想する力の大切さを思います。育児期であれば、たとえば…
- 緑の多い田舎に住んで、仕事は週3~4日、1日に3~5時間の在宅勤務。通勤はしても、月1,2回。
- 保育園に行く準備と送り迎えは家事ロボットとエアタクシー。保育士さんとはZOOMで情報交換。保育園のどろんこ服は保育園のロボットが洗濯。
- 子どもが帰宅したらすぐに家事ロボットのつくった温かい食事をいっしょに食べて、ゆっくり遊ぶ。お風呂や寝かしつけをロボットに頼んでもよい。
- 家事ロボットは希望者全員に無償で貸与され、家事育児を自分でする人にはその分の賃金が支給される。
- 病気のときは医者ロボットが往診。薬もその場でだしてもらえる。 ……など。
こんなふうに好きなところに住んで、主婦代わりのロボットがいて、家族の経済状況や体力にみあった働き方を選べたら、みんな子育ても仕事も適度にしながら、家族でストレスなく暮らせますよね。
家事ロボットなんていないからムリーとか思わずに、在宅ワーク可能な仕事に変わるとか、ヘルパーさんを頼むとか、思い切って東南アジアに移住するとか(笑)、リアルワールドでできることもあるんじゃないでしょうか?
5,まとめ 理想に近づくためなら、辞めるも続けるもよし
①「両立がたいへん」の根本的理由
紙おむつが普及したとき、「手抜き育児」と批判した上の世代は、高齢となって自分がその恩恵を受ける時代(!)になりました。
「育児と仕事の両立」は長年の人類の課題。上の世代が苦労したことは、下の世代では便利になったりラクになってよし。それを社会が推進し、みなで楽しい子育てができてよかったね、と喜んであげられるといいんですけどね。
育児休業、時短勤務、保育園無償化、男性の育休…少しずつ制度は整っていますが、やっぱり女性が育児しながら外で働くのはたいへん。
その根本的な理由のひとつに、家庭内の「育児や家事」という「ケア的労働」に報酬が発生しない上に、育児・教育にかかる費用負担が大きすぎるというところにあります。
専業主婦の年収は約300万円と試算されます。家事育児を担う人は、政府から300万円支給されるとしたら? 子育てをする人はもっと増えますよね~。
②セミリタイア主婦という選択肢
とはいえ、制度を待っている間に子どもは育ってしまいます。最近は、30代前半くらいまでに資金を貯め、節約+投資+在宅ワークでゆるく稼ぐ「セミリタイアママ」も現れていますよね。
どの年代でも、ある程度の経済的な自立を獲得して会社を辞め、短い時間で本当にしたい仕事ができたら、大半の悩みは解決できるでしょう。PCとネットの普及で、実現可能な夢になったので、実践者はどんどんノウハウや暮らしぶりを明かしていってくれるといいですね!
家事ロボットがいない今、「ワンオペで過酷なワーママを辞めたい!」と思うのは当然のこと。辞めてみてから「本当はどんな生活がしたいのか?」ゆっくり考えてみるのもいいんじゃないかと思います。
その選択がベストだった!と胸を張れるように、そのあとの生活をつくっていってほしいな、と思います。
それではまた~!